報道によれば、3月20日(現地時間)、FRB(米連邦準備理事会)のバーナンキ議長は、講演で金融安定化に関し考えを述べたようです。
・金融システム全体の安定を損ねないような、大手ノンバンクを破たん処理するより安全な方法が必要。
・現在の金融機関に対する自己資本規制や会計基準は、景気変動を過度に大きくしている可能性がある。
・FRBの貸出プログラムの需要は景気回復とともに減退し、支援を縮小できる。
FRBは長期国債の購入を軸にした追加的な金融緩和策を打ち出し、市場の注目を集めているところですが、金融市場の安定化に向けて、評価は様々であるとしても、積極的に対応を続けているというイメージです。
一方、ガイトナー財務長官は、報道によれば、細部を重視する実務家で、強く自己主張するタイプではなく、舞台裏で交渉を進める手腕が、周囲から高く評価されてきました。
オバマ政権でガイトナー財務長官の果たす役割は小さくなく、当初、市場の期待も大きいものであったと思います。
しかし、最近のガイトナー財務長官辞任の噂が市場で流れるなど、苦境にあるように見えます。
また、公表されている金融安定化策は、ガイトナー財務長官の当初の考えとは異なるものとみられ、財政問題の制約などがあるとしても、ガイトナー財務長官は、思うような運営が出来ていないのではないかとの懸念も感じないではありません。
各種報道などによれば、財務省スタッフはまだ十分決まっていないようです。
金融システム安定化に向けた具体的な中身に関し米国財務省による公表が待たれるところ、米国当局の対応力充実に期待するとともにその推移を見守りたいと思います。