3月18日(現地時間)、世界銀行の中国事務所は、中国の2009年のGDP伸び率予測を6.5%と前回予測から1%下方修正しました。
中国政府の公式の経済成長目標は、13日に閉幕した全国人民代表大会で掲げた8%前後となっています。
今回、世界銀行は、世界的に急速に進む景気後退の影響を受け、中国の経済成長率は減速すると予測したものです。
過去、中国で公表された統計によれば、1999年から2003年にかけて中国の失業率は増加しましたが、この間の実質GDP成長率の平均は8.7%でした。その後、中国の実質GDPは2ケタペースで成長し、失業率は低下に向かいました。
こうした点に着目すると、中国で雇用が安定するには、年8~9%を上回る経済成長が必要とされるように見えます。
今回、世界銀行が示したGDP成長率6.5%は、中国での失業者が増大し、中国の国内情勢は不安定に向かうと示唆していると思います。
国際的にみて、中国は、思い切った景気対策を打ち出しており、世界的に進む景気後退から早期に脱出するのではないかと期待されているところ、世界銀行は中国経済は2009年から2010年にかけて厳しい状況が続くとしています。
今後の推移が見守られるところかと思います。