2009年3月5日木曜日

日銀須田審議委員の発言に関する印象

3月4日、日本銀行の審議委員である須田美矢子氏は、京都市で講演しました。


現在の金融情勢については、企業業績の悪化で株価が不安定な地合いとなるなど予断を許す状況にないと厳しい認識を示しました。


今後の経済見通しについては、10-12月が非常に下振れたことと、1月の生産・輸出の数字がかなり悪く、氏自身としては今まで出している見通しが下振れる可能性が高いのではないかと思っていると厳しい見通しを示しました。


今後の金融政策については、ゼロ金利や量的緩和政策の導入について、家計の利子収入の減少や市場機能低下などの副作用が大きく、現時点では選択の範囲にないと消極的な姿勢を示しました。


今回、須田氏は、機動的と言いながらも、ある程度リスクが顕在化するのを確認しながら、対応するときには思い切って対応するということと述べたとのことで、市場は、予防的に機動的な金融政策を期待しているところ、須田氏は、事態が深刻化したら対応するという姿勢のようです。


今回の須田氏の講演内容に関する評価は様々と思いますが、、須田氏の認識は市場と同様としても、対策については、思ったより須田氏の考えは市場の期待と乖離しているような印象を受けました。他の審議委員の発言も含め、今後の日銀の金融政策の行方が見守られるところかと思います。