2009年3月12日木曜日

2月の米国財政赤字幅は市場予想より小幅なものの、過去最高水準のペース

3月11日(現地時間)、米財務省が発表した2月の財政収支は1927億8千万ドルの赤字となりました。


前年同月の1755億6千万ドルの赤字より悪化しましたが、事前の市場の予想より赤字幅は小さいものだったと言えます。 


しかし、米国の財政赤字は過去最高の水準で推移しています。


米国財務省によれば、2月の財政赤字の大きな要因は、不良資産救済プログラム(TARP)と住宅対策でした。


今後、景気対策法の実行により、財政赤字は拡大していきます。また、金融安定化に相応の資金を投下する必要がある他、自動車メーカーの救済問題も決着していません。


急速に進行する景気後退と金融市場の安定化に対し、オバマ政権は、今後さらに財政支出を行うことが重要と思いますが、市場では、オバマ政権の財政見通しは楽観的過ぎるとの見方があり、また、赤字拡大に懸念を示す共和党議員から非難を浴びています。


オバマ政権が支持を得て適切な決定を行っていけるのか、まずは、ここ数ヶ月の動きが重要と思われます。


過去、長期的にみると、米国の財政収支と米国金利にはある程度の相関が認められましたが、米国は短期的に金利を上昇させる状況にはないと言えます。


為替の問題も含め、米国の財政収支とオバマ政権の行方が見守られるところかと思います。