2009年3月3日火曜日

気になる米国貯蓄率の行方

3月2日(現地時間)に公表された1月の米国個人消費支出はプラス0.6%となりました。


これは、7カ月ぶりのプラスでした。


米国の個人貯蓄率は5%となりました。


これは、ほぼ14年ぶりの高水準となりました。


先日(2/24現地時間)公表された米国のコンファレンスボード消費者信頼感指数は25.0と、過去最低の水準になりました。


また、先日(2/27現地時間)公表されたミシガン大学消費者期待指数は50.5と、2008年6月以来の低水準となりました。


こうした指標からすると、米国の消費マインドは冷え込んでおり、先行きに対する不安から貯蓄を増加させているように見えます。


市場では、一斉に貯蓄に向かうことを懸念する見方もあるようですが、今回の貯蓄率上昇が、急速な景気悪化に対応した一時的な現象とすれば、懸念を強めるまでもないのではないかと思います。


ただ、サブプライムローン問題に端を発した今回の景気後退が、米国消費者の消費に対する考えを変え、米国の長期的な個人消費の動向が変化するならば、景気回復のシナリオやスピードに影響を与えると考えられますので、慎重に、今後の推移を見極めることが重要かと思います。