2009年3月4日水曜日

トヨタ金融子会社の融資要請と米国の金融市場安定化


報道によれば、3月3日、トヨタの金融子会社(トヨタファイナンシャルサービス)が、日本の政府系金融機関(国際協力銀行)に2000億円規模の融資を要請しているようです。


今回、要請している融資の調達通貨は米ドルとみられます。


昨年来、日系企業の間で、海外でのドル資金の調達が難しくなっていましたが、トヨタの信用力でもということか、あるいは邦銀の問題ではないかとの印象です。


米国の資本収支をみる限り、米国は、対外資産を売却し、自国に還流させており、対外的なドルの供給は、政府の通貨スワップに負うところが大きいようです。


仮に邦銀の与信提供力の問題があったとしても、今回のトヨタの融資要請の根幹には、米国の金融市場の不安定さが大きく影響していると推察します。


日系企業の国際展開には、海外での資金調達が伴い、一般に、調達資金は米ドルになることが多いところ、米国の金融市場の安定化の行方は、日系企業の活動にとっても重要であることを示唆したものと思います。


米国では、AIG、シティなどの金融機関の動向が話題になっていますが、今後、米国の金融安定化策の行方が見守られるところかと思います。