3月5日(現地時間)、ECB(欧州中央銀行)は、政策金利を0.5%引き下げ、1.50%にすると発表しました。
ECBの政策金利は過去最低水準となりました。
同日、ECBは、ユーロ圏経済の2009年の経済成長は当初予想よりもマイナス幅が拡大し、2010年も不確かな回復にとどまるとの見通しを示しました。
会見で、ECBトリシェ総裁は、追加利下げの可能性を排除しないとのコメントしており、報道によれば、ECB理事会メンバーであるドイツ連銀総裁から、ECBにはさらなる利下げ余地があるとの認識が示されたようです。
ただ、トリシェ総裁は、会見で、ゼロ金利に関し消極的なコメントをしたようです。
ECBは、多くの関係国の状況を考慮する必要があるとしても、ゼロ金利に向かわざるを得ないのではないかとの印象ですが、今後の推移が見守られるところかと思います。
同日、BOE(英国中央銀行)は、政策金利を0.5%引き下げ、0.5%にすると発表しました。
また、750億ポンドの資産買い入れを発表し、英国政府は、BOEに対し、量的緩和政策を支えるため、全体で1500億ポンドの資産買い入れ枠を与えました。
BOEの総裁は、さらなる政策金利の引下げ可能性は低いとの認識を示しました。
英国の政策金利は0.5%と1%を下回る金利水準になったことで、政策金利を引き下げるとしても、その幅は限界的と言え、英国の金融政策は新たな段階に入ったと言えます。
BOEは、今後2年間でインフレ目標2%を下回るリスクを示しました。
今後、英国はデフレ懸念に対し、マネーサプライ拡大に取り組むことになろうかと思います。
英国の物価動向なども含め、今後の金融政策の推移が見守られるところかと思います。