2009年3月21日土曜日

EU首脳会議の合意と気になる今後の国際協調の行方

3月20日(現地時間)、EU首脳会議で、IMF(国際通貨基金)の強化に向けて750億ユーロの融資を新たに行うことで合意し、東欧などの地域に向け、250億ユーロの緊急基金を500億ユーロに倍増することでも合意したようです。


しかし、米国が求めていた景気刺激策の規模拡大については受け入れませんでした。


EUにとって、外貨準備が対外債務に比べて少ない東欧などに対する支援は重要であり、IMFの果たす役割は大きいと思いますが、出資割合から、IMFで最も発言力のある国は、米国であろうかと思います。


1950年代後半の景気後退期に、カナダが、拡張的な財政政策をとった結果、為替相場の下落予想から巨額の資本流出に直面し、固定相場制に復帰せざるを得なかった歴史的経験があります。


財政赤字にある米国は多額の財政支出を続ける中、他国にも景気刺激策を呼びかけるのにはこうしたことも影響しているのではないかと想像します。


そうした中、景気刺激策では協調しないEUに対し、米国がIMFでは協調していくのかどうか、今回の金融市場の混乱と景気後退は国際的な協調が重要と考えられるところ、今後の推移が見守られるところかと思います。