2月25日(現地時間)、全米不動産業者協会(NAR)が発表した1月の中古住宅販売戸数は前月比マイナス5.3%減、年率449万戸となりました。
これは、およそ11年ぶりの低い水準でした。
事前の大方の市場予想を大きく下回るものでした。
2008年12月の中古住宅販売戸数は予想外に増加し、価格下落が続いていた住宅市場が最悪期を脱したのではないかとの見方も出てきたところ、2009年1月の発表が注目されていたところでした。
2月24日(同)に発表されたケース・シラー住宅価格指数(20都市)は、前月比でマイナス2.5%、前年比でマイナス18.5%と大幅な落ち込みを記録しました。
大きく価格が下落を示す中、需要が回復しない状況にあると言えます。
販売在庫はマイナス2.7%と在庫の絶対数は減少しましたが、在庫率は、現在の販売ペースでは9.6カ月分に拡大しました。
1月下旬の時点では、薄日が差した可能性があると思われた米国中古住宅市場は、厳しさを増した状況を再確認したといったところかと思います。
個人的には、1カ月ごとの指標の上げ下げで一喜一憂するのは適当とは言えず、中期的にその推移を見守るべきと改めて感じた次第です。