2月6日、トヨタは第3四半期決算の発表を行い、通期(2009年3月期)の業績見通しを下方修正しました。
第3四半期の要因別影響額は、販売面で-5600億円、為替で-2500億円などとなっており、販売不振と為替変動が大きく影響しました。
ちなみに、トヨタの発表した資料によれば、第3四半期の要因別影響額は、原価低減の影響はゼロとなっています。
この事から、短期的に原価低減を図る余地は殆ど無いと推測します。
当初計画では1兆2500億円を計画していた純利益は、今回予想では3500億円の赤字を見通しています。
通期売上高 通期営業利益 純利益
当初計画 2兆5千億円 1兆6千億円 1兆2500億円
昨年11月6日時点 2兆3千億円 6000億円 5500億円
昨年12月22日時点 2兆1千5百億円 -1500億円 500億円
今回 2兆1千億円 -4500億円 -3500億円
今回の前提為替レートはドル=93円、ユーロ=123円となっています。
最近、EUの予想外に悪化したマクロ指標の発表があったこと、市場の予想の範囲とは言えECBが政策金利を据え置いたことに対し、景気後退への対応が相対的に消極的との印象が広がったことなどから、ユーロ通貨は軟調に推移しています。
当面、市場予想通りのマクロ指標の公表が続くとすれば、当面、ユーロ通貨は軟調に推移する可能性が高く、トヨタの想定する前提為替レートより円高で推移する可能性が高いのではないかとの印象です。
直近で円はドルに対し安値圏にあり、トヨタの想定する前提為替レートより若干円高の水準にあります。
今後、オバマ政権の景気対策、金融政策が適時、適切なものとして市場に受け止められていくのかどうか、トヨタの業績を占う上で、短期的にトヨタには原価低減を図る余地が殆ど無いと推測されるところ、トヨタの想定する前提為替レートの行方が気にかかるところであり、為替動向次第では、4度目の下方修正も全くないとは言えないのかも知れません。