2009年1月8日木曜日

FOMC議事録公開とオバマ記者会見

1月7日(現地時間)、昨年12月15、16日のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録が公表されました。


①従来の金融政策は、金利目標を活用したものでしたが、超低金利による経済活動支援の効果が副作用より大きいと判断した。


②多くのFOMC委員が景気の一段の落ち込みに対して強い危機感を抱いていた。


③量的金融緩和へ移行した後も、経済見通しは暫く弱い状態が続くだろうと警戒していた。


④物価は、多くの委員が下振れリスクへの警戒感を強めていた。


以上の見方に立つとすれば、米国のゼロ金利政策は、当分続く可能性が高いと言えます。


同日、オバマ新大統領は、記者会見で次のように話しました。


①ブッシュ政権から1兆ドル超の財政赤字を引き継ぐことになる。景気対策の実施で財政赤字拡大に踏み込む。


②経済が正常化した段階で財政支出削減を実施する。


米国の2009会計年度の財政赤字のGDP比は8%超と、過去最悪だった1980年代の6%台を上回ります。

オバマ新大統領の景気対策の実施により、財政赤字はGDP比で10%近くにまで拡大するとの見方も出てきているようです。


こうした点のみに着目すると、米国のドル安は当面続きそうですが、 NEC(国家経済会議)議長に就任するローレンス・サマーズ元財務長官はドル高を是とする考えの持ち主との見方もあり、今後の推移が見守られるところかと思います。