2009年の元旦を迎えました。
2008年の経済・社会環境は、9月のリーマンショックを大きな境にして、2008年の年初に大方の市場関係者が想定していなかった変化を辿っています。
今回の変化を、百年に一度の変化であり、想定しえなかった変化であると、元米国FRB議長をはじめ、名だたる指導者が言っています。
しかし、サブプライム問題は、市場関係者の間で、数年前から指摘されていた問題です。
確かに、大きな変化ですが、「百年に一度」イコール「予想が全くできなかった」として発言者が用いているとすれば、違和感を覚え、発言者にそういった意図が全く無かったとしても、あたかも発言者に責任は無かったとの意味で言っているのかと感じます。
「百年に一度」は、「適切な対処を採らなければ、20世紀以降最悪の事態となりうる」との意味と理解し、適切な政策が講じられるかを注視していくとともに、消費者、企業は、慎重ではあっても過度に恐れず、落ち着いた判断をしていくことが重要ではないかと思います。
また、金融工学をあたかも意味がなかったと言わんばかりの論調を目にすることがあります。
しかし、市場の予想を人それぞれの見地から、極論すれば占い師的な見通しに託すことが適当とは思えません。
確かに、今回の変化に金融工学が十分対処したと言えないかもしれませんが、金融工学という共通の言語があることが、市場を極端な動きにさせない大きな歯止めになっていると思います。
今後、市場心理を重視する行動ファイナンスの見地も併せ、金融工学を活用することが有効ではないかと思います。
最後に、日本の個人投資家は、2008年秋以降の大きな変化に翻弄され、あるいは、驚かれた方も少なくないのではないかと推察します。
現行の金融取引の仕組みは、各種金融商品を取り扱う金融機関が、適切な情報を個人投資家に提供することを基本としています。
今回の大きな変化は金融機関自身にとっても予想が十分できなかった面があったことは否めません。
そういった意味からすると、事故にあったようなものと捉えることも可能かと思います。
しかし、今回の大きな変化を、個人投資家が、自らの金融リテラシーを高め、自ら判断していく割合を高めていく良い契機になれば、今回の変化による痛みは大きかったとしても、個人投資家にとって前向きな意味があったと理解できるのではないかと思います。
時期未定ながら、こうした個人投資家へのサポートをビジネスとして立ち上げて行ければと思っています。
2009年は、2008年にも増して厳しい経済環境下になりそうです。
しかし、物事を冷静に捉え、将来に向けて前向きな検討を重ねることが、現状を打破し、明るい未来に繋がるのだと信じて行きたいと思っています。
今年もよろしくお願い申し上げます。