2009年1月10日土曜日

英国民はユーロ導入に反対との世論調査の示唆するものは何か

英国BBCの世論調査によれば、英国民の71%はユーロ通貨の導入に反対とのことです。


昨年、英ポンドは、対ユーロで約2割下落しました。


下落は2年連続であり、この点にのみ着目すれば、英国民は、ポンドを保有するよりも、ユーロを保有した方が、経済的に有利と言えます。


それにもかかわらず、英国民がユーロ通貨導入に反対するのは、一つには、自国通貨に強いこだわりがあることもあるのでしょうが、単純にそのように解して良いでしょうか。


個人的には、今回の景気後退局面で、現状の仕組みの上では、ユーロ通貨圏の金融政策等に限界が出始めていることが影響しているようにも思えます。


従来、概ね順調に推移してきたユーロ通貨は、長引くと思われる景気後退下の中で、今後も順調に推移していくのでしょうか。


仮に、景気後退が大幅かつ長期に及べば、ユーロ通貨は試練にさらされるようにも思えます。


今回の世論調査の結果は、果たして、何を示唆しているのか、時間の経過と共にはっきりとしてくると思います。


ポンド為替 対ユーロ 推移

2000年 -0.6% (ポンド高)
2001年 -2.5% (ポンド高)
2002年 4.2% (ポンド安)
2003年 6.9% (ポンド安)
2004年 0.3% (ポンド安)
2005年 -2.7% (ポンド高)
2006年 -1.9% (ポンド高)
2007年 8.8% (ポンド安)
2008年 21.4% (ポンド安)


(注)暦年 (出所)筆者作成