報道によれば、米政府と金融当局は、米国オバマ次期政権のもとで、金融機関の不良債権を本格的に買い取る計画を検討しているとのことです。
報道機関にもよるかもしれませんが、金融機関への資本注入効果に疑問があるので不良債権買取を優先する旨の報道内容が散見されるところ、この点につき、実際に米政府と金融当局の考えを記事にしているのかどうか個人的には違和感を感じるところです。
2005年のペイオフ完全解禁を前に導入された日本の金融機能強化法は、公的資金投入の前提として経営責任の明確化を条件にしていたところ、用意された2兆円の資金のうち、実際に使われたのは約4百億円に過ぎませんでした。
今回、オバマ次期政権は昨年導入された米国の金融機能安定化法にもとづく資本注入の効果に疑問をもっているとの記事が散見されましたが、資本注入のみで金融機能を早期に安定化させることは明らかであると考えられると共に、日本の金融機能強化法と同様に米国の金融機能安定化法の制度そのものの問題もあるように思います。
基本的に、資本注入と不良債権買取は、何れも金融機能を安定化させるためには重要な方法であり、適時に導入することで、金融機能の早期回復が期待できると考えられているのではないかと思います。
報道機関にもよるかと思いますが、自分が目にした報道内容には一部違和感を感じるものの、オバマ次期政権が、実効性のある不良債権の本格買取の仕組み導入を強く期待するところであり、今後の推移を見守りたいと思います。