過日、日銀は、債務履行能力が高い格付けのものに限り、コマーシャルペーパーを買い取ることを決定しました。
今回の決定によれば、CPは、a-1格相当のCPに限る等の条件のようです。
短期債の格付けがa-1というと、必ずしも全てに当てはまるものではないかも知れませんが、発行体格付は、シングルA格以上で、上場会社の中でも限定されるというイメージです。
大手企業であっても資金調達が思うように進まない場合があると言われる中にあっては、大手企業の資金調達を支援することで、結果として中小企業の資金調達を円滑にする効果を期待するということは理解できます。
また、中央銀行の財務の健全性は重要であることは理解できます。
今回のCP買取決定に関する説明の際、日本銀行は、予想インフレ率は、今のところ大きく下落するという感じはではなく、デフレスパイラルに陥っていくという感じではないとコメントしたようです。
物価変動は、基本的には、経済全体の供給力に対して実際にどれだけの総需要が存在するかが、重要な決定要因であると考えられ、この、経済全体の供給力と総需要の乖離を、一般にGDPギャップと呼び、物価変動圧力を評価するための基本的な指標の一つとして日本銀行も理解しているところ、日本銀行の公表資料からみて、GDPギャップはマイナスが拡大していることは日本銀行も認識しているところかと思います。
急激に進む景気後退と金融市場の混乱が続く中、英国は量的緩和を視野に入れた発言をし、米国は不良債権買取を検討するなどの動きにあります。
日本の政府や中央銀行はというと、個人的には、勝手な憶測ながら、欧米の傷は深くとも、日本は大丈夫との思いからか、対応スピードは決して迅速なようには感じないというのが率直なところです。
期待をこめて、今後の推移を見守りたいと思います。