2009年1月13日火曜日

南アフリカの汚職疑惑裁判と気になる同国政情の行方


南アフリカの次期大統領候補で与党ANC(アフリカ民族会議)のズマ議長の汚職疑惑に関する裁判が続く見通しです。


1月12日(現地時間)、南アフリカの最高裁判所は、ズマ議長に対する収賄罪などの公訴を棄却した高裁の判決を破棄したとのことです。


これに対し、ズマ議長は、最高裁判決は憲法違反として憲法裁判所に訴えると主張しているようです。


南アフリカでは、4月に総選挙が行われる見通しです。


現時点では、ANCにとっての大統領候補はズマ議長が唯一であり、仮に、ズマ議長に対する収賄罪に関する判決が出されたとしても、ズマ議長の大統領選出は変わらないとの見方にあるようです。


しかし、昨年12月、反ズマ派は新党を結成し、94年以降、政権を維持してきたANCは分裂状態にあり、政局は流動化している状況です。


日本は、特殊鋼の材料であるクロム、マンガン、バナジウム、プラチナなど多くのレアメタルの輸入の約半分を南アフリカに依存しています。


また、南アフリカは、アフリカだけでなく広く途上国の代表として行動してきた経緯があります。


仮に、南アフリカの政情が不安定になると、日本の製造業にとって少なからぬ影響を与える可能性があるとともに、先進国とアフリカないし途上国との対話に悪影響が出る可能性があります。


今後の南アフリカ情勢の推移が見守られるところかと思います。