アンデス電気(本社:青森県八戸市)が、民事再生手続きの開始を申し立てたようです。
同社は、中小企業庁の"元気なモノ作り中小企業300社"に選ばれた企業で、1995年に液晶カラーフィルターの事業化に成功し、携帯電話の普及に伴って急成長しました。
グループ会社2社を含めた液晶カラーフィルターの年間生産能力は240万シート(携帯電話2億4,000万台分)を有し、世界の携帯電話の約30%のシェアを占有していました。
今回の破綻は、信用調査機関によれば、相次ぐ設備の先行投資に伴う借入負担や新工場立ち上げの遅れから、収益面は不安定な状況が続いていたことに加え、2008年9月期以降の受注が急減したことが背景にあるようです。
信用調査機関によれば、2008年1月~11月の倒産件数は前年同期比で15~16%程度の増加でした。
これはほぼ2003年の水準とみられます。
前回のわが国の金融危機当時の動きでは、2002年に企業倒産件数がピークを打ってから、株式相場は復調していきました。
今回の景気後退が少なくとも前回の金融危機以上の大きさとすれば、2002年の水準を上回る企業倒産件数を記録する可能性が高いと推察します。
今後の企業倒産の行方が気にかかるところですが、初めて景気後退を経験するバーゼルⅡの影響を踏まえると、中小企業に対する資金繰り支援が従来以上に重要になるのではないかと思います。
今後の政府の対応などの行方が注目されるところかと思います。