2009年4月22日水曜日

IMFは世界金融の評価損を約4兆ドルと推定

4月21日(現地時間)、IMF(国際通貨基金)は、世界の金融機関が保有する不良資産の評価損失は約4兆ドルに達する可能性があると発表しました。


米国2.7兆ドル、ユーロ圏+英国1.2兆ドル、日本0.15兆ドルと推定しています。


米国の損失はここ半年で2倍に増えたと推定しています。


世界の銀行の抱える評価損失は約2.8兆ドルで、約3分の1の損失が計上済みと推定しています。


今回のIMFの公表内容を見ると、改めて、金融機関に対する追加資本投入と不良資産の切り離しが重要と思います。


海外メディアによれば、4月21日(現地時間)、米国のガイトナー財務長官は、TARP(不良資産救済プログラム)に関する米議会の委員会で、不良資産は米金融システムを目詰まりさせており、信用供与の流れを回復することを困難にしていると述べたようです。


現在、米国大手金融機関の決算発表が進んでいますが、米国財務省は大手米銀を対象としたストレステストを実施しており、5月に一部の結果が公表される見通しです。


今までの米国大手金融機関の決算発表内容からすると、金融機関により内容に差があるとの印象ですが、ストレステストの結果が注目されます。


最近、米国大手金融機関の中には、公的資本の返済意向を表明するところが出ていますが、ストレステストの結果によっては、一段の資本調達を必要とされる可能性があります。


今後の推移が見守られるところかと思います。