過日(3月31日、現地時間)、イスラエル国会は、ネタニヤフ党首が主導する新連立政権を承認しました。
ネタニヤフ氏は約10年ぶりに2度目の首相就任となりました。
今回のイスラエル政権は、総選挙で勝利した最大政党の中道カディマを抜きにした、左右両派を抱える6党による政権となりました。
リクード:27議席
極右政党わが家イスラエル:15議席
中道左派・労働党:13議席
ユダヤ教超正統派政党シャス:11議席
ユダヤ教超正統派の政党ユダヤ教連合:5議席
右系諸派ユダヤの家:3議席
今回の政権の占める議席数の過半は右派で占められています。
ネタニヤフ首相は、パレスチナ国家とイスラエルの2つの国家共存に懐疑的とみられ、パレスチナ自治政府は懸念を強めているようです。
こうした点からすると、中東和平は遠のいたとの印象です。
ただ、ネタニヤフ首相は、ガザや西岸問題より、イランと核問題が重要な課題と考えているとの見方が出されています。
また、中東和平を推進する中道左派、労働党が参加し、呉越同舟とは言われるものの、中道左派労働党の参加がなければ、ネタニヤフ政権は、イスラエル国会定数120のうち、かろうじて過半数の61を占めるに過ぎません。
オバマ政権は中東和平を外交の最優先課題の一つと位置付け、イスラエルとパレスチナの2つの国家共存に向け和平交渉とイラク安定化やイラン核問題などを相互に関連付けてきています。
右派政権となったイスラエルで、中東和平にとって少ないプラス材料に殊更期待をかけているのかも知れませんが、今後の推移を見守りたいと思います。