海外メディアによれば、11月9日(現地時間)、ECB(欧州中央銀行)のトリシェ総裁は、BIS(国際決済銀行)での会議終了後に記者会見をし、次のようにコメントしたようです。
①米経済は7-9月期にプラス成長になり、ユーロ圏経済もプラス成長が見込まれているなどの状況にある。世界の経済成長について、新興市場国が主導し従来予想よりも若干上向いているが、まだ安心するべき段階ではない。
②今後、物価安定確保に向け各国中銀は段階的かつ適切なタイミングで異例の措置を解除していく。
③引き続き世界レベルで銀行セクターのバランスシートの健全化に焦点を当て、資本基盤や株式発行など存在するすべての適切な手段を利用していく。
トリシエ総裁の会見の全文に目を通したものではないので、確かなことは言えませんが、以前のトリシエ総裁の慎重なコメントからすると、明るい表現をしているように感じます。
同日、ダウ欧州600指数は前週末比プラス1.9%と、資源株をはじめ大きく値上がりしました。
まだ先進国経済の多くは、各国政府の刺激策の効果が期待される段階と考えますが、自律的な回復が本格化する前に、資源価格が上昇し、物価に波及して金利が上昇するといった事態は考えたくないシナリオです。
今後の推移が見守られるところかと思います。