2009年6月17日水曜日

景気に対して相反するシグナルを示す経済指標が公表された米国

6月16日(現地時間)、公表された5月の米国の鉱工業生産は前月比マイナス1.1%となりました。
4月のマイナス0.7%よりマイナス幅は拡大しました。


5月の米国の設備稼働率は68.3%と、4月の69.0%より低下しました。
これは、1967年以来の最低水準でした。


今回公表された米国の鉱工業生産指数及び設備稼働率は、非常に厳しい内容と言えます。


同日公表された5月の米国の住宅着工件数は前月比プラス17.2%と4月の同マイナス12.9%に比べ改善しました。

5月の米国の住宅着工許可件数は前月比プラス4.0%と4月の同マイナス2.5%に比べ改善しました。


今回公表された米国の住宅着工・許可件数は、良好な内容と言えます。


6月16日、米国では、景気に対して相反するシグナルを示す経済指標が公表されたと言えます。


米国の大手自動車メーカーの再生に向けた工場閉鎖や人員削減などの動きは、今後本格化していくと考えられるところ、米国の製造業は厳しい状況が続く可能性が高いと予想します。


現時点では、追加の財政支出の行方、目立った景気を牽引する産業が見当たらないなどの状況からすると、米国の経済回復の行方を楽観的に見ることは難しいのではないかとの印象です。


今後の推移が見守られるところかと思います。