12月8日(現地時間)、イラクの首都バグダッドで、同時爆弾テロにより、少なくとも127人が死亡したようです。
爆弾テロは5カ所、何れも政府庁舎、大学といった政府系建物を狙ったもので、被害を受けた中にはオーケストラの楽団もありました。
爆発は、ラッシュアワーの時間帯を狙ったものでした。
イラク政府は、今回の同時爆弾テロをアルカイダによるものとの見方を示しているようです。
しかし、市民の中には、誰が厳しい検問をかいくぐって首都中心部の政府の象徴とも言える建物を爆弾テロにさらすことが出来たのか、疑問の声も出ているようです。
先日(12月6日)、イラク連邦議会は、連邦議会選実施に関する選挙法の修正案を承認し、当初は来年1月16日に予定されていた選挙を2月27日頃を目途に実施する見通しとなりました。
イラク政府は、選挙に対する反政府勢力による攻撃から市民を守るという姿勢を示していましたが、今回の同時爆弾テロにより、こうした姿勢は挫かれた格好となりました。
今回の同時爆弾テロにより、イラクの治安、選挙への不安からマリキ政権への批判が高まる可能性が高いと思います。
日本の資源開発大手の石油資源開発は、イラクのバグダッドで11、12日に行われる予定の油田開発の第2次入札に参加する予定と伝えられるなど、日本企業によるイラク開発の動きが進んでいます。
イラクの治安の行方、選挙が適切に行われるのかなど、日本の経済関係の動向も含め、今後の推移が見守られるところかと思います。