2009年12月19日土曜日

日銀 白川総裁の会見

12月18日、日本銀行の白川総裁は、会見で、日銀が消費者物価指数の前年比でマイナスの領域を容認しているとか、あるいはデフレを容認しているといった誤解があるのであれば、その誤解は解いた方がいいと述べ、デフレ脱却の重要性を改めて表明しました。


日本銀行は、中長期的な物価安定の理解として、消費者物価指数の前年比で2%以下のプラスの領域にあり、委員の大勢は1%程度を中心と考えていると表現を変更しました。


また、物価安定のもとでの持続的成長を実現する上では、資産価格や信用量の動向など金融面での不均衡の蓄積も含めたリスク要因を幅広く点検していく必要があるとの認識が、各国においても広がっているとの文言も盛り込み、一般物価だけに焦点を当てているわけではないことを強調しました。


先日、政府はデフレ宣言を行いましたが、日銀が追加の金融政策として出せるものは何があるのでしょうか。


今回、白川総裁は、量的緩和は、金融システムが不安定な状況では、安定確保に有効だと指摘しましたが、一方で、一旦、量的緩和を行い、金融システムが安定している下では、量的緩和による経済刺激効果は非常に限定的であるとの見方を示しました。


日本銀行は、GDPギャップが大幅なマイナス圏にある現状では、需要不足が問題であって、流動性供給だけでは物価は上昇しないとの考えを述べているように見えます。


これは、従来からの日本銀行の主張通りの内容と言えます。


厳しく、穿った見方かも知れませんが、今回、日銀がデフレ容認せずと表明したのは好感されるとしても、中身があるかと言えば、ほとんど見あたらず、その意味では、デフレ対策がないままにデフレ宣言した日本政府とあまり変わりないような気がします。


今後の政府、日銀の対応の行方を見守りたいと思います。