先日、欧州で、排出量取引相場が急落しました。
欧州は、排出量取引の最大の取引市場となっています。
今回の急落は、12月19日に閉幕したCOP15(第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議)に対する失望が大きな要因になったようです。
COP15の合意では温暖化ガス排出量の具体的削減目標などを設定できず、法的拘束力のある合意はもちろん、多くが予想していた「政治合意」よりも弱い「合意に留意」するという形での合意に終わりました。
これにより、先行きの排出権取引市場の需要に対する不透明感が大きくなったようです。
排出量取引は、市場参加者が価値があると信じるから市場が成立するもので、温暖化対策に関する制度の行方などにより価値が大きく変動しますし、場合によっては市場そのものが無くなります。
国際的に温暖化対策に対する強いコンセンサスが得られるかどうかが、排出量取引の先行きを決定すると言えます。
COP15終了後、欧州は、米中を批判する姿勢を示しています。
COP16に期待しつつ、今後の推移を見守りたいと思います。