2009年9月30日水曜日

米国の9月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数

9月29日(現地時間)、公表された米国の9月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数は前月比マイナス1.4ポイント、53.1となりました。


事前の大方の市場予想は、前月比プラスを予想していたところ、予想外のマイナスだったと言えます。


これは、ネガティブなニュースでした。


一方、ポジティブなニュースもありました。


同日、公表された米国の7月のケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏)は前月比プラス1.6%となりました。


事前の大方の市場予想は、前月比プラスを予想していたところ、予想通りのプラスだったと言えますが、プラス幅は大方の市場予想を上回るものだったと言えます。


米国住宅市場は安定に向かっているようですが、先行指標であるコンファレンス・ボード消費者信頼感指数が予想外の悪い結果となったのはやはり気になります。


米国の消費の行方が注目されるところ、米国雇用情勢、米国小売売上高など今後の推移が見守られるところかと思います。



東京都区部の9月の消費者物価指数

9月29日、公表された東京都区部の9月の消費者物価指数(2005年=100、生鮮食品を除く総合)は、前年同月比マイナス2.1%の99.7となりました。


食料及びエネルギーを除く総合指数は、前年同月比マイナス1.4%の98.8でした。


昨年に比べ、原油価格が下がっており、消費者物価指数は、前年に比べ下がるのは自然なことと思いますが、エネルギーを除いた指数でもマイナスとなりました。


需給ギャップが大幅マイナスになっている中で、厳しい雇用情勢の下、消費の節約志向が強まっていることが影響しているように思います。


仮に、この推測が成り立つなら、民主党が掲げる消費刺激策が適切に行われれば、物価下落を緩和させる可能性があるのではないかと考えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月29日火曜日

中国の8月の発電量

過日(9月11日)、中国国家統計局が発表した中国の8月の発電量は、前年比プラス9.3%となりました。


中国の発電量は、過去最高の水準に達しました。


中国の統計情報は、その正確性について、とかく色々な意見が出ますが、発電量は経済の温度を示す上で精度が高いのではないかと思います。


天候要因もあったようですが、中国の発電量が高水準で推移していることは、中国経済の好調さの表れと見えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



自民党に期待するもの

自民党の総裁選が終わり、谷垣禎一氏が新総裁に選出されました。


9月28日の両院議員総会で谷垣新総裁は挨拶を行い、今回の総裁選を通じてしっかり反省せよとの声が多いことを身に染みて感じたと同時に、自民党にはまだ果たすべき使命があるはずだ。しっかり頑張れとの声に、必ず応えなければならないと誓いを新たにしました。


谷垣新総裁は、もう一度国民の信頼を取り戻し、わが党が政権に復帰できるように全身全霊を傾けて職務に当たりたいと表明しました。


個人的には、長年の政権与党であった自民党は、その経験にもとづき、民主党政権に対し、適切な批判を行っていくことを期待します。


自民党の適切な批判によって、民主党政権が緊張感を持って、多数議席に驕らずに政策を遂行することに繋がり、また、自民党にとっても将来の政権奪取に向けた前向きな動きになると考えるからです。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月28日月曜日

ドイツ連邦議会選挙

9月27日(現地時間)、ドイツで連邦議会選挙が行われ、投票が締め切られました。


出口調査によれば、


保守のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU) 33.5%
中道左派の社会民主党(SPD)22.5%
中道リベラルの自由民主党(FDP) 14.5%
左派(DIE LINKE) 13.0%
緑の党 10.0%


となっています。


選挙前政権は、 メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟と社会民主党の大連立政権でしたが、選挙前、何れも総選挙後は新たなパートナーと連立を組みたいとの意向を表していました。


メルケル首相は、中道リベラルの自由民主党と組んで、福祉に力を入れたいとの意向のようです。


出口調査からすると、キリスト教民主・社会同盟と社会民主党の両者を合わせた議席は半数程度になる見通しであり、これに、緑の党も加わるかもしれません。


中道左派の社会民主党は、惨敗となりそうです。


今後の推移が見守られるところかと思います。



G20の声明文と行方

9月25日(現地時間)、米国で開催されていたG20は、閉幕し、景気刺激策を継続するとともに、世界経済の不均衡是正に向けて政策の協調・相互監視などに各国が取り組むことを表明した共同声明を採択しました。


世界経済は底打ちしてきているものの、これは各国政府の支援策によるところが大きく、持続的な景気回復が十分期待できる状況にはないというのが各国の共通認識のようです。


こうした認識を背景に、出口戦略の実行にはまだ時間がかかるとの共通理解のようです。


今後、G20は定例化し、新興市場国の存在感は高まっていくことが予想されます。


個人的には、今回の金融・経済危機を乗り切るまでの間は、G20の枠組みは機能するのではないかと思いますが、20カ国は多く、立場も異なるので利害が対立しやすいことからすると、合意形成まで時間がかかる枠組みのように見えます。


そうすると、かえって、例えば、米中の合意形成が重視されるようになるのかも知れません。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月27日日曜日

債務の返済猶予構想に思うこと


最近、亀井静香 郵政・金融担当相の債務の返済猶予構想に注目が集まっています。


この債務の返済猶予構想とは、資金繰りに苦しむ中小・零細企業や個人などの債務を3年程度繰り延べるというもののようです。


商工中金の中小企業を対象にした調べによれば、8月の資金繰りDIはマイナス9.3(前月マイナス9.8)と、調査開始以来最大の「悪化」超幅となった2月のマイナス20.0から6ヵ月連続で「悪化」超幅が縮小傾向にあります。製造業(マイナス12.9)は「悪化」超幅が拡大した一方、非製造業(マイナス6.4)は「悪化」超幅が縮小しましたた。


改善傾向にあるとしても、確かに、中小企業は資金繰りに苦しむ企業の方が多いようです。


高水準で推移する失業率などからすると、個人のローン返済負担も全体として厳しさを増していると推察します。


TVで亀井静香 郵政・金融担当相へのインタビューを見ている限り、ご自身は、資金繰りに苦しむ中小・零細企業や個人を何とか助けたいという思いによるもののようであり、その気持ちは理解できる気がします。


ただ、方法論が適切かどうかは検討の余地が大きいのではないかとの印象です。


特に、政策実行の負担を黄門様の印籠をかざし、上位下達で民間に負担させているとの誤解を生むような方法は、長い目でみて国民的な理解を得ることが難しく、効率も悪いのではないかとの印象です。


国際的に金融機関の自己資本規制の強化が見込まれる中、仮に、3年程度の借入金の返済を猶予する措置をとった場合、日本の金融機関は、却って与信の審査基準を強化せざるを得ず、日銀の金融政策が期待した通りの成果をあげられなくなるなど、亀井 郵政・金融担当相の期待と逆行する結果を惹起する可能性があります。


また、日本の金融機関の自己資本は脆弱と国際的に評価され、日本企業の海外での資金調達コストを上昇させ、結果として日本企業の国際競争力を低下させていく要因になり得ると推察します。


基本的には、中小・零細企業への金融支援は、金融機関の貸し倒れリスクを軽減するような一時的な保証制度の強化を行うとともに、新規製品やサービスを促進するような公的融資や助成制度を整備するといった地味できめ細かい対応が有効で、政治としては、ではどういった産業分野に重点配分するか、地方の活性化をどのように果たしていくのかなど、日本のグランドデザインを描いていくことが期待されるのではないかと思います。


個人的には、民間活力を引き出すようなインセンティブを与えていくことで、財政負担も少なく政策効果を上げていくことが重要ではないかと思います。


モラトリアムまで踏み込む気概があるならば、さらに踏み込んで、期待される新規製品やサービスを促進するような企業の税負担を一定期間軽減したり、期待される新規製品やサービスを促進するための新たな雇用に必要な資金を一部負担したりといった措置を行っても良いのではないかとの印象です。


鳩山新政権への国民の期待は大きく、期待を大きく裏切らないで欲しいというのが自分の率直な気持ちです。


政策実行の負担を黄門様の印籠をかざし、上位下達で民間に負担させているとの誤解を生むような方法は、長い目でみて国民的な理解を得ることが難しいのではないかとの印象にあるのは、亀井 郵政・金融相のモラトリアム構想だけの問題ではなく、他の閣僚の方の政策の中にも同様の印象を受けるものが存在します。


全くの誤解にもとづく杞憂と思いますが、政権交代を経て民衆主体の新たな時代に向かうと思ったら、お上意識の江戸時代へ逆行したのではないかとの思いが一瞬かすめましたが、幅広い議論を経れば、そうした誤解も解消していくと信じています。


鳩山新政権の見ている目線、方向が正しくとも、方法論が適当でないと期待した成果が得られないばかりか、マイナスを生むことさえあるのではないか、そうならない為に、必要な議論を経て、適切な方向に向かって、適切な方法で取り組まれることを期待したいと思います。


今後の行方を見守りたいと思います。



週明け後の主な予定

週明け後の主な予定は次の通りです。


28日(月曜)
海外:EU 欧州委員会 バローゾ委員長 講演


29日(火曜)
国内:消費者物価指数 東京都区部 9月中旬
海外:米 ケース・シラー住宅価格指数 7月
   米 消費者信頼感指数 9月
   EU 業況判断指数 9月
   EU ユーロ圏信頼感指数 9月
   EU Eurofi金融フォーラム 9/29-10/1


30日(水曜)
国内:鉱工業生産 8月
   毎月勤労統計 8月 速報
   石油統計 8月
   自動車生産台数 8月
   住宅着工統計 8月
   建設工事受注額 8月
海外:米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
   米 ADP雇用統計 9月
   米 国内総生産 4-6月 確定
   EU ユーロ圏消費者物価指数 9月 速報
   EU ECB(欧州中央銀行)トリシェ総裁 講演


10月1日(木曜)
国内:日銀短観 9月調査
   商業販売統計 8月
   新車販売台数 9月
海外:米 新規失業保険申請件数 先週分
   米 個人所得・消費支出 8月
   米 ISM製造業景況指数 9月
   米 中古住宅販売成約指数 8月
   米 自動車販売台数 9月
   米 バーナンキFRB議長 議会証言
   EU PMI製造業景況指数 9月 改定
   EU ユーロ圏失業率 8月


2日(金曜)
国内:完全失業率 8月
   家計調査 8月
   日銀短観 9月調査 全容
   マネタリーベース 9月
海外:米 雇用統計 9月
   米 製造業受注 8月
   EU ユーロ圏生産者物価指数 8月


個人的には、市場で改善を見込んでいる米国のISM製造業景況指数が市場の期待通りに改善するかどうか、また、来週末のG7を前にした欧米の金融関係者の発言、米国の雇用統計などが注目されるところかと思います。



2009年9月26日土曜日

8月のユーロ圏マネーサプライ(M3)の伸び率

9月25日(現地時間)、ECB(欧州中央銀行)が発表した8月のユーロ圏マネーサプライ(M3)の伸び率(季節調整済)は、前年同月比プラス2.5%となりました。


先日(9月16日、現地時間)、EU統計局が発表した8月のユーロ圏CPI(16カ国のEU基準消費者物価指数、改定値)は、前年比マイナス0.2%となりました。


これらからすると、マネーサプライが十分でなく、デフレ圧力が強まっているように見えます。


しかし、ユーロ圏CPIは、エネルギー・食品を除くコア指数は前年比プラス1.2%だったことからすると、前年のエネルギー価格の上昇が大きかったためにユーロ圏CPIは前年比マイナスになったもので、デフレ圧力は強まってはいないとの見方も成り立ちそうです。


個人的には、失業率が高く、需給ギャップがマイナス圏にある現状からすると、ユーロ圏の各国政府による各種の経済支援策が途切れた時にどうなるのかが気がかりです。


今後の推移が見守られるところかと思います。



中米ホンジュラスのセラヤ前大統領が強行帰国

先日(9月21日、現地時間)、今年6月のクーデターで国外追放された中米ホンジュラスのセラヤ前大統領は、強行帰国しました。


セラヤ前大統領は、平和的な対話で問題を解決したいと語り、ホンジュラスのブラジル大使館に身を寄せているようです。


報道によれば、セラヤ前大統領が突然帰国してから同国の首都テグシガルパの一部では暴動が発生し、すでに2人死亡したとのことです。


暫定政権側は、セラヤ前大統領帰国の直後に外出禁止令を発令しましたが、23日には解除するなど、対応を軟化させているようです。


セラヤ前大統領は、海外メディアのインタビューで、ミチェレッティ暫定大統領側から妥協案が提示されたがこれを拒否したと述べました。


妥協案は、セラヤ前大統領、ミチェレッティ暫定大統領の両氏が退き、第三者を大統領とする内容だったとのことです。


現在のところ、セラヤ前大統領と暫定政権との対話が開始されたものの、進展はない状況です。


アリアス・コスタリカ大統領は、国際社会の支持を受けホンジュラス問題解決のため当事者間の仲介を行っており、7月22日、セラヤ大統領の復帰、国家和解のための政府の設置、政治犯の恩赦等を含む「サンホセ合意案」をセラヤ前大統領、「暫定政府」側双方に提示しました。


セラヤ前大統領は9月7日に「サンホセ合意案」の受け入れを表明する一方、「暫定政府」側は依然受け入れを拒んでいます。


このまま解決が長引けば、ホンジュラスの治安はさらに悪化に向かう可能性が高いと思われます。


対話による早期の解決を期待しつつ、今後の推移を見守りたいと思います。



2009年9月25日金曜日

国連の安全保障理事会は、核兵器のない世界を目指す決議を全会一致で採択

9月24日(現地時間)、国連の安全保障理事会は、米国が提案した核兵器のない世界を目指す決議を全会一致で採択しました。


米国のオバマ大統領は、核軍縮の理念を各国が共有し取り組むと表明するとともに、米国とロシアの間で核軍縮に関する合意の必要性に言及しました。


ロシアのメドベージェフ大統領は、核不拡散と核軍縮に関する取り組みが期待した通りには進んでいないと指摘しました。


今回の国連の安全保障理事会での核不拡散及び核軍縮に関する決議は歴史的なものと言えますが、テロリストなどが核兵器を保有する現実的な脅威は増しており、また、目の前の大きな課題として、イラン、北朝鮮の核兵器開発疑惑の問題があります。


9月23日(現地時間)、米国のオバマ大統領は、ロシアのメドベージェフ大統領と会談し、イランの核開発問題をめぐり協議しました。
そこで、メドベージェフ大統領は、イランが核兵器開発につながるウラン濃縮活動停止に応じない場合、ロシア政府として追加制裁に応じる考えを初めて明らかにしたとのことです。


国際社会は、イランへの追加制裁で足並みを揃えることが出来るのか、イランへの追加制裁に消極的と言われる中国の対応が重要と思います。


今後の推移が見守られるところかと思います。



米国の8月の中古住宅販売戸数

9月24日(現地時間)、公表された米国の8月の中古住宅販売戸数は、年率510万戸、前月比マイナス2.7%、前年同月比プラス3.4%となりました。


事前の大方の市場予想では、前月比プラスを予想していましたが、予想に反してマイナスになりました。

前年同月比ではプラスとなりました。


価格中央値が前年比マイナス12.5%、住宅在庫が前月比マイナス10.8%となっていることからすると、価格下落によって在庫が整理に向かいつつあるように見えます。


価格下落、初回住宅購入を対象とした米国政府の税控除措置の効果などから米国住宅市場は上向きつつあるようです。


米国政府の税控除措置が延長されるのかどうかなど今後の行方が見守られるところかと思います。



2009年9月24日木曜日

米国のFRBは、FOMC声明文を発表

9月23日(現地時間)、米国のFRB(連邦準備理事会)は、FOMC(連邦公開市場委員会)声明を発表しました。


政策金利である、FF(フェデラルファンド)金利の誘導目標は、0~0.25%に据え置くとしました。


また、政府機関が保証するMBS(モーゲージ担保証券)の購入ペースを徐々に緩めるとしました。


米国の経済活動は、深刻な落ち込みを経て上向いたとの認識を示しました。


ただ、依然として、米国で商業用不動産向け融資が金融システムの不安材料との見方が出されています。


米国の商業用不動産向け融資を裏付けとした証券化商品の延滞率は過去1年間で約6倍に上昇し、金融機関が保有する同融資と関連の証券化商品の残高は約2兆ドルと、サブプライムローンの約1兆ドルを上回る規模となっています。


また、米国の銀行融資は伸びておらず、米国の金融機関にとって資本増強と貸し出し基準の厳格化が重要な課題となっていることからすると、FRBの金融政策は、当分の間、低金利で流動性を供給していかざるを得ないのではないかとの印象です。


今後の推移を見守りたいと思います。



9月のユーロ圏PMI

9月23日(現地時間)、公表された9月のユーロ圏PMI(購買担当者景気指数、総合、速報値)は、50.8となりました。


サービス部門PMIは50.6、製造業PMIは49.0でした。


PMIは、資材購買担当者を対象とした調査にもとづく指数で、景気動向を占う指標としての機能があると言えます。


ユーロ圏PMI(総合)が、景気動向景気判断の分かれ目を示す50を上回ったことは、ユーロ圏が景気後退期から脱したことを示唆しています。


事前の大方の市場予想も、50を上回ることを予想していたと言えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月23日水曜日

国連気候変動サミットで、各国政府首脳が演説

米国で開催中の国連気候変動サミットで、各国政府首脳が演説を行いました。


日本の鳩山首相は、わが国は長期削減目標の設定に積極的に関与していくべきだと考えており、中期目標についても、1990年比で2020年までに25%削減を目指すことを表明し、気候変動問題について各国のリーダーとともに結束して対処していきたいと強調しました。


米国のオバマ大統領は、気候変動の脅威が深刻かつ切迫しており、国際社会の対応は、歴史の判断を受けるだろうと述べ、強い決意で気候変動の問題に取り組むべきだと訴えました。


中国の胡錦濤国家主席は、2020年までに全エネルギー消費に占める非化石エネルギーの割合を15%に高めるとの目標を表明するとともに、二酸化炭素排出量を2020年までに2005年の水準より著しく減らす方針を示しました。


気候変動問題については、今年12月にコペンハーゲンで国連気候変動枠組み条約締約国による会合(COP15)が開催される予定です。


今年12月に、ポスト京都議定書となる、2013年以降の温暖化対策を盛り込んだ新たな国際的枠組みが構築できるかどうか、先進国の新たな目標設定や、経済発展が著しく排出量の多い中国やインドといった新興国などの合意が取り付けられるかが焦点となります。


フランスのサルコジ大統領は、今回の国連気候変動サミットで、12月の会合までに新たなサミットを開催してはどうかとのアイデアを示しました。


今後の推移が見守られるところかと思います。



米国の7月のFHSA住宅価格指数など

9月22日(現地時間)、公表された米国の7月のFHSA住宅価格指数は、前月比プラス0.3%、前年比マイナス4.2%となりました。


過日公表された米国の7月の新築一戸建て住宅の総販売戸数は前月比プラス9.6%、年率43万3千戸でした。


米国では、初回住宅購入者向け税控除として、8000ドルの税控除措置が認められており、これまでに140万人が利用したことが明らかになっています。


この税控除は、今年の12月1日までに住宅購入手続きを完了する必要がありますが、不動産業界などから期間の延長を求める声があがっているようです。


これに対し、米国のガイトナー財務長官は、初回住宅購入者向け税控除の延長を検討していることを明らかにしています。


米国住宅市場の先行きを占う上で、住宅価格や住宅ローン金利などに加え、米国の住宅控除政策の行方も気になるところです。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月22日火曜日

インドにおけるITソフトウェアの輸出、インド国内市場の伸び率

2008年度のインドにおけるITソフトウェアの輸出額は、前年度比プラス16%となりました。


世界的な景気後退の影響を受け、例年30%以上の成長ペースで伸びてきたインドIT業界としては、大きく成長ペースが鈍化しました。


JETROの調べによれば、2009年度のインドにおけるITソフトウェアの輸出額は、さらに鈍化し前年度比プラス4~7%と見られています。


一方、インド国内のIT市場は、順調に伸びており、2009年度のインド国内のITソフトウェア売上額は前年度比プラス15~18%が見込まれているようです。


最近、日本のNTTソルマーレ(西日本NTTのグループ会社)は、インドの携帯電話事業者向けに日本のコミックの配信を始めました。

成長が続くインド国内の携帯電話市場に参入したものです。


NTTソルマーレは一つの例に過ぎませんが、日本企業にとって、幅広い分野で、インドや中国といった新興国の国内需要の拡大の重要性が増していくのではないかと思います。


今後の推移が見守られるところかと思います。



米国の8月のコンファレンスボード景気先行指数

9月21日(現地時間)、公表された米国の8月のコンファレンスボード景気先行指数は、102.5、前月比プラス0.6%となりました。


これで、前月比プラスは、5カ月連続となりました。


事前の大方の市場予想も前月比プラスを予想していたと言えます。


最近の米国の景気回復は、自動車の買い替え支援策など米国政府の政策が重要な役割を果たしたと考えられます。


自動車の買い替え支援策は8月で終了しました。


最近、米国では、再生可能エネルギーを利用する設備に対し、設備資産額の30%を助成する総額30億ドルの補助金制度がスタートしました。


これにより、企業の先行投資、雇用創出効果が期待されます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月21日月曜日

非核化への取り組み

渡米中の鳩山首相は、国連総会での演説で、オバマ大統領の主張する核なき世界構想への支持を表明し、北東アジア非核化など世界の非核化の推進を強く打ち出すようです。


先日、IAEA(International Atomic Energy Agency:国際原子力機関)は、国連安全保障理事会決議に違反して核実験を実施した北朝鮮を非難する決議を全会一致で採択しました。


IAEAは、朝鮮半島の非核化が重要と指摘した上、北朝鮮によるさらなる核実験を自制するよう求めました。


IAEAの次期事務局長には日本の天野之弥・核不拡散・原子力担当大使が選任され、12月1日に就任する運びになっています。


IAEAは、原子力の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国際機関であり、日本人の事務局長就任は、この分野での日本の国際的な役割向上が期待されます。


岡田外相は、米国の核持ち込みを認める密約問題について調査し、明らかにするとしています。


唯一の核被爆国である日本の首相が、非核化に取り組むことは重要ですが、目の前にある北朝鮮の核の危機に具体的にどう対応していくのか、米国の核持込密約を明らかにしていく中で、難しい舵取りが求められるところかと思います。


長年のもやもやした感じがスッキリすることに期待を込めてその行方を見守りたいと思います。



オランダの多国籍商社が、コートジボワールの廃棄物被害の補償金を支払へ

オランダの多国籍商社トラフィグラ(Trafigura)は、アフリカのコートジボワールで、廃棄物のために被害を受けた人々に補償金を支払うことになりました。


補償金は一人1500ドルで、廃棄物で病気にかかった人に支払われます。
コートジボワールの一人当たりGNI(国民総所得)は、920ドル(2007年)ですから、GNIに換算すると約1年8ヶ月分に相当します。
ちなみに、日本の一人当たりGNIは38,980ドル(2005年)です。


当初、トラフィグラは、コートジボワールの廃棄物業者に売却した後に被害が出たもので、トラフィグラは無関係としていました。


トラフィグラに関する問題はこれで終わりではなく、チュニジアでも問題を抱えているとの見方も出されています。

今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月20日日曜日

米国の医療保険制度改革の反対論の背景

米国の医療保険制度改革は、オバマ政権が内政の最重要課題に掲げるもので、オバマ政権は、公的保険導入による医療保険制度改革を打ち出していますが、共和党の強い反対など世論が二分されています。


先日、カーター元大統領は、オバマ政権の目指す医療保険制度改革への強い反対の背景には、オバマ大統領に対する人種的な偏見があるとの見方を示しました。


個人的には、このコメントに接するまで、人種偏見が影響しているとは思いもよらなかったことで大変驚きました。


ホワイトハウスは、カーター元大統領の見方を否定し、医療保険制度改革への反対論と人種的な偏見とを結びつける見方は当たらないとしました。


過日、米国の上院財政委員長(民主党)が、医療保険制度改革について、政府運営の公的保険を見送り協同組合など非営利組織による提供を柱とする法案を発表しました。


米国の医療保険は長年議論になってきた問題であり、どのように決着するのか、今後の推移が見守られるところかと思います。



週明け後の主な予定

週明け後の主な予定は次の通りです。


21日(月曜)
国内:祭日
海外:米 景気先行指数 8月


22日(火曜)
国内:休日
海外:米 連邦住宅金融局住宅価格指数 7月
   米 連邦公開市場委員会 22-23日
   国連気候変動サミット


23日(水曜)
国内:祭日
海外:米国で日米首脳会談
   米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
   米 連邦公開市場委員会 政策金利発表
   EU ユーロ圏PMI製造業・サービス業景気指数 9月
  EU 鉱工業新規受注 7月


24日(木曜)
国内:貿易統計 8月
   全産業活動指数 7月
   スーパー売上高 8月
海外:米 新規失業保険申請件数 先週分
   米 中古住宅販売件数 8月
   米国でG20(20カ国・地域首脳会議)金融サミット 24-25日


25日(金曜)
国内:企業向けサービス価格 8月
   コンビニエンスストア売上高 8月
海外:米 耐久財受注 8月
   米 新築住宅販売件数 8月
   米 ミシガン大学消費者マインド指数 9月 改定値
   EU ユーロ圏マネーサプライ(M3) 8月
   米国でG20(20カ国・地域首脳会議)金融サミット 24-25日


米国で、G20金融サミットが24から25日に開催され、金融規制や出口戦略などが注目されるところかと思います。



2009年9月19日土曜日

日本、中国の8月の粗鋼生産量

9月18日、公表された日本の8月の粗鋼生産量は、831万1千トン、前年同月比マイナス18.3%、前月比プラス8.5%となりました。


前年同月比でのマイナスは、11カ月連続となりました。


前月比でのプラスは、4カ月連続となりました。


9月11日(現地時間)、公表された中国の8月の粗鋼生産量は、5233万トン、前年同月比プラス22%、前月比プラス3.3%となりました。


中国の粗鋼生産量は、過去最高の水準になりました。


中国の8月の鉄鉱石生産量は7668万トン、前年同月比プラス19%でした。


リーマンショック前、中国国内での鋼鉄の需要が爆発的に伸び、鉄鉱石やその他金属価格も大幅に上昇を続け、世界的な資源高に拍車をかけました。


日本の鉄鋼需要は、買い替え支援策により自動車向け需要が伸びたことが大きく、さらに粗鋼生産が大きく伸びるかどうかは微妙ではないかと思います。


他方、中国の鉄鋼需要は、地震復興など建設需要が影響しており、安定した中国の国内需要が見込まれるのではないかと推察します。


将来の世界的な経済回復が本格化すれば、資源高は再来する可能性があるのではないかとの印象です。


今後の推移が見守られるところかと思います。



米国財務省は、MMFの保証プログラムの終了を発表

9月18日(現地時間)。米国財務省は、MMF(マネー・マーケット・ファンド:短期資金投資信託)の保証プログラムの終了を発表しました。


MMF保証プログラムは、昨年の金融危機時に創設されたもので、既存の“Exchange StabilizationFund(為替安定基金)”から最大 500 億ドルを MMF の支払い保証として活用することが出来るようにしたものです。


MMF保証プログラムは、あらゆる MMF を保証しますが、参加者は本プログラムへの手数料を支払うことになっていました。


今回、MMF保証プログラムの終了に際し、ガイトナー財務長官は、必要性が後退したことが終了の理由と述べました。


他方、同日、米国のFDIC(連邦預金保険公社)は、預金保険基金を拡充する方法について検討することを明らかにしました。


これは、米国の銀行の破たんが急増したため、大幅に目減りした米国の預金保険資金を拡充する必要が出ていることが背景にあるようです。


米国の金融市場は、直接金融は安定しつつあるものの、間接金融は不安定な状況が続いているようです。これは、経済環境の影響によるもので、景気の回復動向により左右されると推定します。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月18日金曜日

米国のオバマ大統領は、ポーランドとチェコのミサイル防衛計画配備を見直すと表明

9月17日(現地時間)、米国のオバマ大統領は、ポーランドとチェコのミサイル防衛計画配備を見直すと表明しました。


このミサイル防衛計画は、イランのミサイル攻撃から防衛するためにブッシュ前政権が打ち出したものでした。


今回、オバマ大統領は、計画を廃棄するのではなく、よりコストが安い迅速な対応が可能なシステムに見直すとしています。


従来のミサイル防衛計画は、イランからの長距離ミサイルに対する脅威を想定していましたが、今回見直された米国のミサイル計画は、短・中距離のミサイルの脅威に対処するとしています。


イランからのミサイル攻撃の脅威に関するアメリカの評価が変更になった模様です。


今回のミサイル防衛計画の見直しにより、米国とロシアとの関係改善が期待でき、イランの核問題をめぐって、ロシアの協力を得やすくなるのではないかと推察します。


また、従来イスラエルはイランの核計画への対応は中東和平実現に向けた一歩であるとしており、イランの核問題が進展すれば、中東和平が前進する可能性があるように思えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年7-9月期の法人企業景気予測調査

9月17日、公表された2009年7-9月期の法人企業景気予測調査によれば、現在の景況感を示す景況判断指数は、大企業(全産業)でプラス0.3、中堅企業(同)でマイナス15.7、中小企業(同)でマイナス36.7となりました。


大企業は、7四半期ぶりにプラスに転じたものの、中堅・中小企業は依然として大幅なマイナス圏にあります。


先行きの景況感は、大企業(全産業)でプラス4.9、中堅企業(同)でマイナス4.2、中小企業(同)でマイナス20.7となりました。


また、全産業ベースの2009年度の設備投資計画(ソフトウェア・土地を除く)は、前年比マイナス22.0%で、前回調査でのマイナス19.5%から下方修正となりました。


前回調査時点より景気は回復しているところ、設備投資計画が下方修正になったのは、設備投資の厳しさを表しているように見えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月17日木曜日

米国の8月の鉱工業生産

9月16日(現地時間)、公表された米国の8月の鉱工業生産は、97.4(2002=100)、前月比プラス0.8%となりました。


設備稼働率は、69.6%、前月比プラス0.6%となりました。


市場では、鉱工業生産を好感したようです。


しかし、設備稼働率は、過去、設備投資が活発化する80%程度を大きく下回る水準に留まっており、設備投資が活発化するにはまだ時間がかかるとの印象です。


今後の推移が見守られるところかと思います。



米国の8月のCPI

9月16日(現地時間)、公表された米国の8月のCPI(消費者物価指数、総合)は、前月比プラス0.4%、前年比マイナス1.5%となりました。


食品・エネルギーを除くコア指数は、前月比プラス0.1%、前年比プラス1.4%でした。


ガソリン(all types)は、前月比プラス9.1%、前年比マイナス30.0%でした。


大方の市場では、インフレリスクは抑制されていると受けとめたようです。


ただ、個人的には、デフレリスクが無くなったものではないとの印象です。


自動車の買い替え支援策が8月で無くなり、FRBの金融政策も出口戦略に向かう中、今後数ヶ月の米国のCPIの行方が気になるところです。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月16日水曜日

米国の8月の小売売上高

9月15日(現地時間)、公表された米国の8月の小売売上高は、前月比プラス2.7%となりました。


これは、事前の大方の市場予想を上回る水準と言えます。


政府による低燃費車買い替え支援策による効果が大きかったと推測されます。


自動車を除く小売売上高は、前月比プラス1.1%でした。


9月11日に公表された米国の9月のミシガン大消費者信頼感指数は70.2、前月比プラス4.5ポイントと、事前の大方の市場予想を上回る水準となりました。


政府による低燃費車買い替え支援策は8月24日で終了しており、9月の小売売上高が注目されるところです。


米国では厳しい雇用環境が続く中、消費動向は厳しいと思われるものの、今回公表された米国小売売上高は自動車を除いても改善傾向を示したことから、米国の消費の行方に期待する見方も出されています。


今後の推移が見守られるところかと思います。



米国FRBバーナンキ議長の講演でのコメント

9月15日(現地時間)、米国のFRBのバーナンキ議長は、講演で、景気後退は終了した可能性が大きいと述べました。


バーナンキ議長は、2010年の経済の回復ペースは非常に緩やかで、失業率の改善ペースも同様との見通しを示しました。


そして、来年の成長率が長期的な潜在成長率を大きく上回る可能性は低いと述べました。


来年の成長率が、潜在成長率を大きく上回らないということは、インフレ懸念はなく、米国の政策金利は、低金利を続けると言っているように聞こえます。


今後の推移を見守りたいと思います。



2009年9月15日火曜日

米国のオバマ大統領が議会に金融規制改革法案の年内承認を要請

9月14日(現地時間)、米国のオバマ大統領は、議会に対し、新たな金融規制の提案を、年内に承認するよう要請しました。


オバマ大統領が提案する金融規制改革法案は、


①システミックリスクを引き起こす恐れのある全金融持ち株会社の監督をFRBに一元化する。

②店頭取引によるデリバティブ市場に包括的な規制を導入し、消費者金融保護庁を新設する。


これに対し、金融界が抵抗している他、政府の中にもFRBの権限強化に難色を示している向きがあると言われています。


米国金融界の反対の大きな理由は、米国で金融規制を強めれば、より規制の少ない市場に金融取引が米国から逃避するというものです。


こうしたことからすると、国際的な金融規制強化の協調ができるかどうかが一つのポイントではないかと思います。


今後の行方が見守られるところかと思います。



欧州委員会によるEUおよび加盟各国の経済予測

9月14日(現地時間)、欧州委員会は、EUおよび加盟各国の経済予測を発表しました。


2009年のユーロ圏16カ国(EURO-16)の域内GDP伸び率を前年比マイナス4.0%としました。


これは、欧州委員会が前回(2009年5月)示した予測と変わりませんでした。


EURO-16の2009年のインフレ予測は0.4%としました。


欧州委員会は、2009年-2010年の景気刺激策は維持することが適当としました。


また、デフレリスクは後退したとの認識を表明しました。


しかし、同日、EU統計局が発表した7月のユーロ圏の鉱工業生産は前月比マイナス0.3%、前年比マイナス15.9%となったことからすると、生産設備の稼働率は低下傾向にあると考えられます。


市場の大方の予想としては、ユーロ圏の消費者物価指数は上向いていくと見ていますが、デフレ圧力が強まる可能性が全く無いとは言えないのではないかと思います。


今後の推移が見守られるところかと思います。


 2009年
GDP伸び率(予測,%)インフレ率(予測,%)
France-2.1 0.0
Germany-5.1 0.3
Italy-5.0 0.9
Netherlands-4.5 1.1
Spain-3.7 0.0
Poland1.0 3.8
U.K.-4.3 1.9
EURO-16-4.0 0.4



2009年9月14日月曜日

米国ブッシュ大統領に靴を投げつけたイラク人受刑者が出所へ

昨年、イラクを訪問した米国のブッシュ大統領に靴を投げつけ、服役中だったイラク人記者ザイディ受刑者が、出所することになりました。


ザイディ受刑者は、当初禁固3年の判決を受けましたが、服役態度が良いため、刑期より早く釈放されることになったとのことです。


ザイディ受刑者は、事件前は無名のジャーナリストでしたが、事件後、地元では国民的英雄視され、仕事のオファーや資金提供、結婚相手の紹介などが提供されており、今回の出所を歓迎する動きがあるようです。


一方、賓客として招かれたブッシュ大統領に対して靴を投げつけるのは恥ずべき行為であり、ジャーナリストならペンで批判すべきとの見方もあるようです。


最近、イラク各地では、爆弾などによる攻撃が相次ぎ、多数の死傷者が出ているようです。


米国は、2010年8月末までの米軍の撤退計画が順守できると表明しています。


海外メディアによれば、新日本石油は、イラクのナシリヤ油田をめぐる契約をまとめる交渉に入る模様であり、また、三菱商事等とイラクの合弁事業の投資が見込まれるようです。


イラクの治安の行方、米軍の撤退計画なども含め、今後の推移が見守られるところかと思います。




米国のミッチェル中東和平担当特使は、イスラエルを訪問

9月13日(現地時間)、米国のミッチェル中東和平担当特使は、イスラエルを訪れ、ペレス大統領と会談しました。


今後、ミッチェル特使は、ネタニヤフ首相とも会談の予定です。


今回、ミッチェル特使がイスラエルを訪問したのは、中東の和平プロセス再開を目指したものです。


ネタニヤフ首相は、ミッチェル特使との会談に先立ち、主張の隔たりを少なくしたいとの意向を表明したようですが、国際法違反と言えるユダヤ人入植地問題など難しい課題があります。


ミッチェル特使は、イスラエルと、パレスチナのアッバス議長との三者会談の開催にたどりつきたい模様であり、中東和平の先行きを占う上で、今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月13日日曜日

米国の9月のミシガン大消費者信頼感指数、大地の芸術祭

9月11日(現地時間)、公表された米国の9月のミシガン大消費者信頼感指数は70.2、前月比プラス4.5ポイントとなりました。


事前の大方の市場予想を上回る水準と言え、市場では、今回の結果を、景気回復ペースが加速しているとして好感したようです。


しかし、8月は65.7と、7月比でマイナスとなり、4月以来の低水準でした。


単月の動きに一喜一憂することは避けたいところ、まずは、米国の小売売上高の動きはどうかが注目されるところかと思います。


閑話休題


昨日、新潟で開催されている”大地の芸術祭”を観て来ました。


大地の芸術祭は、越後妻有地域(新潟県十日町市+津南町)の里山を舞台に3年に1度開催される世界最大の国際芸術祭です。


2000年のスタート以来、3年に1回のペースで開催されています。


山手線の内側の面積と同様という、とても広い地域に多数の作品が展示されており、自分は、今回、まつだい地区の一部と十日町地区の一部を観て回りました。


作品と地域の協働というか共鳴したような楽しい作品が多く、大変興味深く観させて頂きました。


天候はあいにくの小雨でしたが、多くの人々が熱心に観ている姿を見ていると、世の中を変えていくのは、心に響くようなメッセージの積み重ねなのかも知れない、需給ギャップではなく、需給ミスマッチと前向きに捉える視点こそが大切なのだと感じた次第です。


ちなみに、大地の芸術祭の今回の会期は9月13日までですが、秋版として10/3から11/23まで開催されるようです。著作権の関係から、画像はアップしませんが、関心ある方は次のURLを参照下さい。


http://www.echigo-tsumari.jp/2009/





週明け後の主な予定


週明け後の主な予定は次の通りです。


14日(月曜)
国内:マネタリーサーベイ 7月
   鉱工業生産 7月 確報
海外:EU ユーロ圏雇用統計 4-6月
   EU ユーロ圏鉱工業生産 7月
   EU 欧州委員会 経済見通し発表


15日(火曜)
国内:商業販売統計 7月 確報
海外:米 PPI(生産者物価指数) 8月
米 小売売上高 8月
   米 企業在庫 7月
   米 バーナンキFRB議長講演
  独 ZEW景況指数 9月


16日(水曜)
国内:毎月勤労統計 7月 確報
海外:米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
   米 CPI(消費者物価指数) 8月
   米 経常収支 4-6月
   米 鉱工業生産・設備稼働率 8月
   EU ユーロ圏CPI(消費者物価指数) 8月


17日(木曜)
国内:法人企業景気予想 7-9月
第3次産業活動指数 7月
基準地価 7月1日時点
海外:米 新規失業保険申請件数 先週分
   米 住宅着工・建設許可件数 8月
   EU ユーロ圏貿易収支 7月


18日(金曜)
国内:特定サービス産業動態月報 7月
   景気動向指数 7月 改定
   鉄鋼生産 8月
海外:EU ユーロ圏経常収支 7月


個人的には、火曜に公表予定の米国の小売売上高、バーナンキ議長の講演内容などが気になります。



2009年9月12日土曜日

8月の東京都心5区の大型オフィスビルの空室率

9月10日、公表された8月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の大型オフィスビルの空室率は7.57%となりました(三鬼商事調べ)。


東京都心5区の大型オフィスビルの空室率は、1年7カ月ぶりに上昇が止まりました。


ただ、大型の既存ビルの空室率は7.2%と前月より上昇しています。


今回の空室率の改善は、大型の新築ビルの空室率が前月の32.25%から25.11%に低下したことの要因が大きかったと言えます。


事業会社のオフィスのコスト削減の動きは続いている模様であり、オフィスビル市況は厳しいようですが、先行き改善に向かう兆しが出てきたのかもしれません。


しかし、森ビルの調べによれば、東京23区の大規模オフィスビルの供給は、2009年に87万㎡、2010年に89万㎡と過去平均の104万㎡を下回る見通しですが、2011年は157万㎡、2012年も141万㎡と過去平均を上回る見込みであり、需給バランスからみて、中期的なオフィスビル市況の行方が気になるところです。


今後の推移が見守られるところかと思います。



GMのオペル株式売却

9月10日(現地時間)、GM(ゼネラル・モーターズ)は、ドイツのベルリンで、GMグループのオペルの株式を、カナダの自動車部品メーカー、マグナ・インターナショナルなどの連合に売却すると発表しました。


今年5月、GMは、マグナ連合にオペル株式を売却することで暫定合意しましたが、GM内にオペル株式の売却に消極的な意見も根強く、交渉の行方が注目されていました。


ドイツ政府も、GMに対し、マグナ連合に売却しなければオペルに対する15億ユーロ規模のつなぎ融資の返済を求める姿勢を示すなど圧力を強めていました。


GMのオペル株式の売却交渉は、外部からは迷走していると受けとめられていましたが、GMは、今回の交渉が5月からスタートし、僅か4ヵ月で決着したと強調しました。


ドイツのメルケル首相は、GMによるオペル株式売却決定を歓迎すると表明しました。


今後、オペルはリストラ策に関する労組との協議が本格化していくとみられます。


今回のGMのオペル株売却にはドイツ政府が深く関ったようですが、ドイツでは今月末に総選挙が予定されており、オペルの再建に向け、どのような動きとなるのか、雇用や生産能力の調整など、今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月11日金曜日

米国の先週分(9月5日終了週)の新規失業保険申請件数

9月10日(現地時間)、公表された米国の先週分(9月5日終了週)の新規失業保険申請件数は55万件、前週比マイナス2万6千件となりました。


市場では、米国の労働市場の改善を示したものとの見方が出されています。


4週間移動平均は57万件、前週比マイナス2750件となりました。


最近の4週間移動平均は、明確な減少トレンドのようには見えず、失業率が明確に改善するまでには、まだ時間がかかるように思えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



新規失業保険申請件数推移


 申請件数4週間移動平均
   前週比
7月11日524,000585,000 
7月18日559,000567,250-17,750
7月25日589,000560,250-7,000
8月1日554,000556,500-3,750
8月8日561,000565,7509,250
8月15日580,000571,0005,250
8月22日574,000567,250-3,750
8月29日576,0005727505,500
9月5日550,000570000-2,750


(出所)米国労働省



英国、カナダの政策金利

9月10日(現地時間)、BOE(イングランド銀行)は、英国の政策金利を0.5%に据え置くと発表しました。


事前の大方の市場予想通りの内容と言えます。


また、BOEは、資産買い入れプログラムの規模も維持すると発表しました。


同日、カナダの中央銀行は、カナダの政策金利を0.25%に据え置くと発表しました。


事前の大方の市場予想通りの内容と言えます。


また、カナダの中央銀行は、成長を支える上で必要となれば非伝統的措置をとる可能性があるとしました


カナダの中央銀行は、声明の中で、2009年下半期のカナダのGDP(国内総生産)伸び率が今年7月時点の予想を上回る可能性を示していると述べました。


市場では、当分の間、英国、カナダの政策金利は歴史的な低水準に据え置かれると見ているようです。


今後の推移を見守りたいと思います。



2009年9月10日木曜日

アフガニスタンの武装集団に拉致されていた米紙の英国人記者が救出

9月9日(現地時間)、アフガニスタンの武装集団に拉致されていた米紙の英国人記者が救出されました。


救出したのは、NATO(北大西洋条約機構)主導のアフガン国際治安支援部隊です。


救出されたのは、ニューヨークタイムズのステファン・ファレル記者です。


しかし、ファレル記者と共に拉致されていたアフガニスタン人記者(通訳との報道もあり)と救出に関った兵士1名は、死亡しました。


記者の救出には大きな代償が支払われたと言えます。


アフガニスタン政府は、何故、アフガニスタン人記者が死亡したのか、その徹底した原因究明を求めているようです。


アフガニスタンに駐留するNATO(北大西洋条約機構)軍は、駐留ドイツ軍の要請で米軍が行った空爆で死亡した犠牲者の大半が民間人の可能性があると発表しました。


アフガニスタンでは、カルザイ大統領が大統領選で過半数の得票を確保したようですが、選挙違反の申し立ては大半がカルザイ大統領側の不正行為を指摘する内容と報道されています。


これに関連し、アフガニスタン駐在米国大使はカルザイ大統領と会談し、大統領選の不正疑惑解明を要求したのに対し、カルザイ大統領は不快感を示したようです。


アフガニスタンと米国の関係の行方が気になるところ、今後の推移が見守られるところかと思います。



米国のFRBのベージュブック

9月9日(現地時間)、公表された米国のFRB(連邦準備理事会)のベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、半数の地区連銀が8月末までに米国経済が改善した兆しが見られるとしました。


大半の地区で、住宅用不動産で一定の改善が見られるとしています。


しかし、商業用不動産は依然として弱いとしています。


また、失業率は高く、米国の労働市場は厳しい状況にあり、依然として弱いとしています。


市場の中には、景気の先行き懸念が指摘されるところ、今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月9日水曜日

8月の全国企業倒産状況

9月8日、公表された8月の全国企業倒産状況(東京商工リサーチ調べ)によれば、倒産件数は前年比マイナス1.0%の1241件となりました。


前年比でマイナスになったのは3ヵ月ぶりでした。


負債総額は前年比マイナス67.2%の2842億1300万円でした。


負債額は今年で最も低い水準でした。


同日、トヨタの豊田章男社長は、過剰な生産能力の解消を急ぐ考えを明らかにしました。


多くの大企業で、先行きの業績確保に向けた対応を進めていますが、トヨタの例では、需要回復を前提としていないようです。


中小・零細企業にとって、厳しい状況は続いており、年末に向けて多くの中小・零細企業が資金繰りに行き詰る懸念があります。


民主党はマニフェストで、現行の18%の法人税率を11%に引き下げるといった中小企業支援策が掲げられていますが、緊急の資金繰り支援に関する考えは明確とは言えません。


今後の内閣発足と政策の推移が見守られるところかと思います。



英国・ドイツの7月の鉱工業生産指数

9月8日(現地時間)、公表された英国の7月の鉱工業生産指数は、前月比プラス0.5%、前年同月比マイナス9.3%となりました。


これで、英国の鉱工業生産は2ヵ月連続のプラスとなりました。


事前の市場の大方の予想では、英国の鉱工業生産の回復ペースは鈍化するとみていたものの、予想を上回るプラス幅になったと言えます。


英国の鉱工業生産は、改善傾向を明確にしつつあるように見えます。


他方、同日、公表されたドイツの7月の鉱工業生産指数は、前月比マイナス0.9%となりました。


事前の市場の大方の予想では、ドイツの鉱工業生市場はプラスとみていたものの、予想に反してマイナスになったと言えます。


英国で好ましい結果が出たものの、ドイツでは厳しい結果になったと言えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。





2009年9月8日火曜日

イギリスで、航空機の爆破を計画していた被告に対し有罪判決

9月7日(現地時間)、イギリスで、国際線の航空機の爆破を計画していた被告に対し、有罪判決が下されました。


これは、2006年夏に機内に持ち込んだ液体爆弾によって、多数の航空機を爆破しようとしていたもので、仮に、実行されていたら、9.11事件を上回る惨事になったと言えます。


有罪となった被告は、イギリス在住のイスラム教徒で、遺言ビデオ(※)を作成していました。

※テロが行われた後に公表されることを意図して自らの主張を明らかにするため作成されたビデオ。自殺ビデオとの表現も見受けられる。


この事件を契機に、多くの国で、航空機内に液体(飲料、化粧品など)を持ち込むことは禁止されました。


現在も続くこうした措置は、航空機の利用者の評判は必ずしも良好ではありませんが、個人的には、今回の判決に接し、安全確保のために必要な措置ということを再認識した次第です。


国際的な紛争の解決を期待しつつ、今後の推移を見守りたいと思います。



民主党が日本の温室効果ガスを1990年比で25%削減と表明

9月7日、民主党の鳩山代表が、2020年の日本の温室効果ガスを1990年比で25%削減を目指すことを明言しました。


経済産業省、産業界は、突然の表明に危機感を強めていると言えます。


確かに、民主党のマニフェストに沿った内容ではありますが、国民は、「政権交代」のキャッチフレーズは理解しているものの、マニフェストの内容を全面的に支持した選挙であったかどうかは微妙なのではないかと思います。


また、民主党のマニフェストの内容は、必ずしも十分な説明や議論が行われているものではないとの印象です。


思えば、今回の衆院選で下野した自民党は、郵政選挙で獲得した議席を元に、時として、強引とも思える議会運営を行ってきました。


こうした自民党を批判して選挙に勝利した民主党政権には、より国民に理解される運営を強く期待したいところです。


鳩山党首のコメントを聞く限り、目標実現のため、民主党は科学技術の利用を最も重視しているようですが、何となく地に足の着いた議論のような感じがしないのは自分だけでしょうか。


少なくとも、25%削減と同時期に技術開発を促す仕組みの導入などとセットにした上、国民負担の明確化と十分な説明は必要かと思います。国民の民主党への期待が大きいところ、こうした対応が幅広い支持を得られるのかどうか疑問な気がします。


期待を込めて、今後の推移を見守りたいと思います。



2009年9月7日月曜日

スリランカで活動しているユニセフの広報担当官のビザ取り下げ


今般、スリランカ政府は、スリランカで活動しているユニセフの広報担当官のビザを取り下げると通告しました。


スリランカ政府は、国軍とタミル・イーラム解放のトラ(LTTE)とが戦っていた当時の広報担当官の発言を問題としたようです。


ユニセフは、女性と子供の公正な代弁者として行動したまでであると、この広報担当官を擁護し、ビザの継続を求めています。


国軍とタミル・イーラム解放のトラが戦っていた当時、海外メディアの取材は、スリランカ政府の担当者が付き添うなど、非常に制約されたもので、国連の機関を通じた情報収集が重要な役割を果たしていたとのメディア側の発言がされています。


今回のスリランカ政府とユニセフの間の問題は、公正な取材などで問題を提起したと言えそうです。


ちなみに、スリランカのユニセフでは、日本の元五輪競泳代表、井本氏が教育支援に取り組んでいます。


スリランカで適切な結論が出されることを期待しつつ、今後の推移を見守りたいと思います。



フィリピンでフェリーが沈没

9月6日(現地時間)、フィリピンでフェリーが沈没するという事故がありました。


このフェリーは、フィリピン南部のミンダナオ島からパナイ島に向かっていました。


今のところ、3人が死亡し、88人が行方不明になっていますが、残りの乗客らは救出されたようです。


当時、この海域の天候は良好で、周辺には他の船舶が航行していたことから、奇跡的に、多数の乗客らが救助されたとのことです。


沈没したフェリーの事故は、2006年、2007年に続いて3度目で、現時点では沈没した原因は明らかではないものの、天候というよりは、整備面で問題があったのではないかとの推測が出されているようです。


フィリピンでは、船舶の事故は少なくなく、島巡りがフィリピン観光の楽しみの一つとなっていることからすると、船舶の安全の向上が期待されるところです。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月6日日曜日

2016年夏季五輪招致、あれこれ

過日、2016年夏季五輪招致で国際オリンピック委員会が、立候補4都市の評価報告書を公表しました。


今のところ、リオデジャネイロが最有力のようですが、すんなり最終決定に至るかどうかは解りません。


東京でのオリンピック開催には賛否両論あろうかと思いますが、個人的には、閉塞感が強い現状、日本国民に明るい話題を提供することの意義は少なくないと思います。


さて、最近、アニメなどの日本のポップカルチャーが海外から評価を得ているとの話が取り上げられていることからすると、情報発信としての日本の存在感は高くなっているのかも知れません。


では、経済活動ではどうか、特に、新しい技術や革新的な経営をもたらし、雇用機会の増大にもつながる対日直接投資はどうでしょうか。


この点、各種の報告がされていますが、個人的には、期待したほど伸びていないのではないかとの印象です。


詳細な統計にもとづくものではありませんが、外国企業のアジアにおける日本拠点の位置づけも低下傾向に歯止めがかかっていないのではないかと感じています。


日本が元気になるような、明るく、前向きなディスカッションが、たくさん出てくることを期待し、自分も少しでもそうした動きが促進されることを願い、何時かはそうした機会に何らかの形で関っていけたらと思います。



週明け後の主な予定

週明け後の主な予定は次の通りです。


7日(月曜)
海外:米 労働者の日(9月の第1月曜日)で休場


8日(火曜)
国内:月例経済報告
   国際収支 7月
   倒産集計 8月
   景気ウォッチャー調査 8月
海外:米 消費者信用残高 7月
   英 鉱工業生産 7月
   独 鉱工業生産 7月


9日(水曜)
国内:景気動向指数 7月
   工作機械受注額 8月
海外:米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
   米 ベージュブック(地区連銀経済報告)


10日(木曜)
国内:機械受注 7月
   企業物価指数 8月
   オフィス空室状況 8月
海外:米 貿易統計 7月
   米 新規失業保険申請件数 先週分
   英 BOE(イングランド銀行) 政策金利発表
   NZ ニュージーランド中銀理事会と
   加 カナダ中銀理事会


11日(金曜)
国内:GDP(国内総生産) 4-6月
特定サービス産業動態統計 7月
消費動向調査 8月
海外:米 卸売在庫 7月
   米 ミシガン大学消費者マインド指数 9月
   米 財政収支 8月


8日に公表予定の月例経済報告、英鉱工業生産、9日の米地区連銀経済報告、10日の米貿易収支、11日の米ミシガン大消費者信頼感指数などが注目されるところかと思います。



2009年9月5日土曜日

20カ国・地域、財務相・中央銀行総裁会議が開会

9月4日(現地時間)、ロンドンで20カ国・地域、財務相・中央銀行総裁会議が開会しました。


9月5日まで開催の予定です。


今回の会議では金融規制の強化が話し合われる見通しであり、開催に先立ち、ヨーロッパでは、金融システムは依然として不安を抱えているとして、危機意識を共有する動きを示していました。


規制の一つに、金融機関の報酬問題があります。


短期的な利益ではなく、中期的な利益を志向するような報酬体系を検討し、一つの考え方として、利益の一定割合を限度とするといった考えもあるようです。


今回どのような規制の内容が合意されるのか注目されるところかと思います。




米国の8月の雇用統計

9月4日(現地時間)、公表された米国の8月の雇用統計によれば、米国の非農業部門雇用者数は前月比マイナス21万6千人、失業率は9.7%と前月比プラス0.3ポイントとなりました。


米国の非農業部門雇用者数の前月比のマイナス幅は縮小傾向を示しました。


これは、9月2日(現地時間)に公表された米国の8月のADP雇用報告で、米国の民間部門雇用者数は前月比マイナス29万8千人となり、マイナス幅が縮小を示したことと同じ動きでした。


失業率は2カ月ぶりに上昇に転じました。


市場では、これをネガティブに受けとめたようです。


ただ、新規失業保険申請件数の4週間移動平均は、明確な減少基調を示しきれない状況にあることからすれば、上昇幅は予想以上に大きかったとしても、上昇そのものは市場も予想していたと言えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月4日金曜日

7月のユーロ圏の小売売上高

9月3日(現地時間)、公表された7月のユーロ圏の小売売上高は前月比マイナス0.2%、前年比マイナス1.8%となりました。


大方の事前の市場予想では前月比プラスを予想していたところ、これに反してマイナスとなりました。


8月中旬(8/13、現地時間)に公表された米国の7月の小売売上高も大方の事前の市場予想に反して前月比でマイナスになりました。


欧米の消費は、市場が考えているよりも厳しい内容と言えます。


こうした市場が考えるよりも経済実態が悪いタイミングで、万一、市場の想定外の非常に悪い経済指標などが公表されると、マーケットは大きく下振れする潜在的なリスク(不確実性と言った方がいいかも知れませんが)が高まっているように見えます。


金融システムは安定に向かっているものの、安定したとまでは言えないと思います。


今後の推移を慎重に見守りたいと思います。



米国の先週分(8/29終了週)の新規失業保険申請件数

9月3日(現地時間)、公表された米国の先週分(8/29終了週)の新規失業保険申請件数は57万件、前週比マイナス4千件となりました。


先週分は前週比ではマイナスでしたが、4週間移動平均の新規失業保険申請件数は57万1250件、前週比プラス4千件となりました。


4週間移動平均は、明確な減少基調を示しきれない状況にあり、米国の雇用の改善には時間がかかりそうです。


明日の米国の雇用統計など、今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月3日木曜日

アフガニスタンでの自爆テロ、アヘン生産など

9月2日(現地時間)、アフガニスタンで自爆テロが起き、国家情報機関の高官を含む多数の死亡者が出たようです。


アフガニスタンの治安の悪化が懸念され、悪いニュースと言えます。


同日、国連が発表した報告書によれば、アフガニスタンでのアヘンの生産量は、2年連続の減少となりました。


これは、好ましいニュースと言えます。


アヘンの売買価格が過去10年で最低水準となり、アフガニスタンの生産地における小麦の価格がアヘンの価格を上回ったったことが背景にあるようです。


アフガニスタンでは世界のアヘンの約90%が生産され、タリバンの重要な資金源となっていると言われています。


生産量が減少したとはいえ、依然として、アフガニスタンではアヘンに対する世界の需要を上回る生産が行われています。


今後もアヘンの生産が減少していくことを期待したいところ、従来の強制的な生産中止の取り組みは失敗だったとの評価が確立しつつあるようです。


アフガニスタンでは現在、大統領選挙の開票が進んでおり(開票率60%)、再選を目指すカルザイ大統領の得票率は47%、対抗するアブドラ前外相は33%となっています。


カルザイ氏の優勢は動かない模様ですが、得票率が過半に達しなければ、決選投票となります。


また、カルザイ氏の得票率は過半を僅かに上回る程度であれば、多くの選挙違反が報告されていることから、結果に対する信任を得られるかどうか微妙な情勢のように見えます。


アフガニスタンの今後の推移が見守られるところかと思います。



米国の8月のADP雇用報告

9月2日(現地時間)、公表された米国の8月のADP雇用報告によれば、米国の民間部門雇用者数は前月比マイナス29万8千人となりました。


市場では、マイナス幅が縮小しているとして、今回の結果を好感する見方にあるようです。


確かに、マイナス幅は縮小したとしても、事前の市場予想に比べマイナス幅は小さくなく、雇用がプラスに転じるにはまだ時間を要すると思われます。


金曜には米国政府の雇用統計が公表予定であり、今後の推移を見守りたいと思います。



ADP雇用報告(単位:千人)
 民間部門雇用者数前月比
8月108,696-298
7月108,994-360
6月109,354-433
5月109,787-461
4月110,248-518
(出所)ADP



2009年9月2日水曜日

第2次大戦から70年を記念する追悼式典

9月1日(現地時間)、ポーランドで、第2次大戦から70年を記念する追悼式典が開かれ、ドイツのメルケル首相やロシアのプーチン首相も出席しました。


1939年9月1日ドイツ軍が西からポーランドへ侵攻、9月17日ソ連軍(当時)が東からポーランドへ侵攻し、ポーランドは独ソ両国により独ソ不可侵条約に基づいて分割・占領されました。


ポーランド侵攻が第二次世界大戦の始まりでした。


ドイツは、ポーランドの子供、数百万人を誘拐し、非人道的な各種の人体実験を行いました。


ドイツは、何度もポーランドに謝罪し、今回の式典に出席したドイツのメルケル首相は、ドイツの責任は永遠にあると表明しました。


これに対し、ロシアはポーランドに対し一度も謝罪したことがなく、今回出席したプーチン首相は、ロシアはポーランドを解放したものであるとして、全く謝罪を行いませんでした。


このロシアの姿勢は適切ではないとしてヨーロッパで注目が集まっています。


今後の推移が見守られるところかと思います。



米国の8月のISM製造業部門指数

9月1日(現地時間)、公表された米国の8月のISM製造業部門指数は52.9となりました。


景気の分かれ目である50を上回りました。


50を上回るのは2008年1月以来のことです。


米国のISM製造業指数は、米国景気の先行指標であり、先行きの景気拡大を示唆していると言えます。


同日、NYダウはISM製造業部門指数を好感し、一時上昇したものの、最終的には前日比マイナス1.96%の9310.6で引けました。


これは、経済の回復、金融システムの改善に関し、依然、不透明感があることを嫌気したもののようです。


今回、ISM製造業部門指数は50を上回りましたが、単月の動きであり、今後も継続して上回るのかどうか、今後の推移が見守られるところかと思います。



2009年9月1日火曜日

アフガニスタンの軍事作戦

海外メディアによれば、米軍兵士のアフガニスタンの軍事作戦による死亡者数が、8月に46人と、最悪の水準に達したようです。


オバマ米大統領はアフガニスタンをテロとの戦いの主戦場と位置付けていますが、戦いの意義を疑問視する米世論も強まり始めているようです。


アフガニスタンでは、タリバンとの戦いでアフガニスタン国民の生活改善が進まず、アフガニスタン国内における多国籍軍への信頼が低下しているようです。


多国籍軍の戦略は期待した機能が発揮されておらず、多国籍軍の作戦遂行には、復興支援や警察官の数を増やすなど戦略の見直しが必要との見方が出されています。


タリバンはアフガニスタン南部や東部の拠点で勢力を盛り返しているとの見方もあります。


今回の衆院選で勝利した民主党はインド洋の多国籍軍への給油活動を打ち切る方針を表明しています。


民主党は、多国籍軍によるアフガニスタンの復興支援へどのようにかかわるのか、注目されるところかと思います。


今後の推移が見守られるところかと思います。



日本の7月の商業販売額

8月31日、公表された日本の7月の商業販売額は前年同月比マイナス24.2%、前月比プラス2.9%となりました。


小売業は前年同月比マイナス2.5%、前月比プラス0.4%となりました。


卸売業は前年同月比マイナス30.0%、前月比プラス3.3%となりました。


大型小売店は、前年同月比(既存店)マイナス8.4%、百貨店マイナス11.8%、スーパーマイナス6.0%でした。


日本の商業販売は、前年同月比で依然マイナス圏にあるものの、前月比でプラスになったことからすると、最悪期は脱しつつあるように見えます。


ただ、大きく落ち込んだことで底は深く、厳しい状況が続いていると言えます。


今回の衆院選で、民主党が勝利しました。

マニフェストの内容からすると、民主党は、消費を喚起する政策を打ち出す可能性が高いとみられます。


マニフェスト通りに迅速に政策を具体化するならば、失業率などの状況からすると、劇的な改善を期待することは難しいものの、日本の商業販売にとってはプラス要因として働くと推察します。


今後の推移が見守られるところかと思います。