今年は参院選が行われます。
民主党の優勢が伝えられますが、昨年末にかけて行われたアンケート調査で、今後、影響力を発揮してほしいと思う政治家は、トップが舛添要一前厚生労働相と自民党の議員があがりました。
ちなみに、2位に鳩山首相、以下、岡田克也外相、菅直人副総理、前原誠司国土交通相など民主党の議員の名前が並びました(日本経済新聞、2009年12月27日記事)。
このアンケート調査の結果が公表される直前(12月22日)、たまたま舛添氏の出版記念の講演会を聞く機会がありました。
講演内容は特にメモをとることもなく、正確性に欠くかもしれませんが、舛添氏の発言で記憶に残ったのは次のポイントです。
・舛添氏は、民主党の小沢氏は党としての要望を公に首相に伝えたのは適当とは思えないが、それまでの小沢氏の行動は理解できる(共感又は同調に近いとのニュアンスを受けました)旨の発言。
・舛添氏が、総理として、自ら今すぐに組閣するとすれば、7割が民主党議員、残り3割が自民党議員になる旨の発言。
・朝日新聞の世論調査を見る限り、自民党は次期選挙での敗北は決定的との旨の発言。
・外国人参政権に関しては、帰化が前提との考えに立つが、既に、在日の方は、2世、3世の時代に進んでおり、実際上の問題はあまりないと推定するが、こうした議論を行うことが重要と考える旨の発言。
個人的な感想として、舛添氏の講演の趣旨は、現自民党への批判、政界再編の必要性、自ら再編に向けて行動する意欲の表明と受けとめました。
ただ、再編の軸は何か、舛添氏は自ら外交が専門とのことですが、経済問題、成長戦略に対する言及が記憶の限りではなかったことは残念でした。
��注)今回発行された氏の著書でも、自分の見落としかも知れませんが、行動の軸は、官僚への反発や自身の母親への思いなどエモーショナルなものばかりで、自らの行動の規範たる信念などは表明していなかったと思います。
アンケート調査によれば、注目される人物であればこそ、舛添氏が何をしたいのか、少なくとも何処を向いているのかを繰り返しわかりやすくアピールして頂くことを期待したいと思います。
優勢が伝えられる民主党政権は政治プロセスの透明化など功績は大きいものの、自民党への反対を繰り返した昔の社会党を彷彿とさせる瞬間があり、また、たまたまの一面であろうかと思いますが時として明治維新の際の薩長のような強引さを感じないでもありません。
特に、経済問題に関しては、ひどい時には、政府中枢の民主党議員が、先行きの景気に悪影響を及ぼしかねない発言を行うのを見ると、がっかりすることもあります。
国民の選択は正しかったのだと思えるような経済政策を期待しつつ、今年行われる参院選に向けた今後の推移を見守りたいと思います。