5月23日(現地時間)、ジャマイカ政府は、首都キングストンに非常事態宣言を発令しました。
今回の非常事態宣言は、米国から引渡しを求められている麻薬組織のリーダーを引渡すことにジャマイカが同意したことがきっかけで、この麻薬グループによる複数の警察署に対する攻撃がきっかけでした。
ジャマイカ政府は、犯罪組織に断固として対処するとTV放送を通じて表明しました。
こう言うと、悪い犯罪者を捕まえるという印象ですが、事はそう単純ではないようです。
麻薬組織のリーダー、クリストファー・コーク容疑者は、貧しい人々を経済的に支援しており、地元でゴッドファーザーとして敬愛されているようです。
地元の貧しい人々がバリケードを作り、ジャマイカ政府に対し、クリストファー・コーク容疑者は引き渡さないと主張しているようです。
多額の公的債務を抱えるジャマイカにとって、海外直接投資や経済協力が重要なところ、こうした騒動は、抑制要因になり、ジャマイカ経済の再建を遅らせることになりかねません。
クリストファー・コーク容疑者の投降が最良のシナリオのようですが、今のところ投降の動きにはないようです。
今後の推移が見守られるところかと思います。