2010年4月30日金曜日

米国の先週分(4月24日終了週)の新規失業保険週間申請件数

4月29日(現地時間)、公表された米国の先週分(4月24日終了週)の新規失業保険週間申請件数(季節調整済)は44万8千件、前週比マイナス1万1千件となりました。


事前の大方の市場予想はマイナス予想(=改善)であったところ、予想通りマイナスになったと言えます。


トレンドを示す4週間移動平均は46万2500件、前週比プラス1500件となりました。


先週分の件数はマイナスとなりましたが、トレンドを示す4週間移動平均はプラスとなっていることからすると、米国の先行きの失業率の改善は足踏みすることを示唆しているように見えます。


米国の新規失業保険申請件数はブレが大きい指標でもあり、今後の推移を見守りたいと思います。



4月のユーロ圏景況感指数

4月29日(現地時間)、公表された4月のユーロ圏景況感指数(速報値)は100.6、前月差プラス2.7ポイントとなりました。


事前の大方の市場予想を上回るプラス幅だったと言えます。


個人的には、ユーロの外からみていると、ギリシャ問題など、ユーロ圏には頭の痛い問題があり、ユーロ圏の景況感の予想以上の改善は意外との印象を受けましたが、結果は率直に受け入れるべきと思います。


今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月29日木曜日

英国のブラウン首相に失言事件

4月28日(現地時間)、英国のブラウン首相に失言事件がありました。


来週、英国では総選挙があり、ブラウン首相は選挙遊説をしていたところ、女性有権者から東欧からの労働者流入に関し質問を受けました。

ブラウン首相は質問に答えた後、すぐに車に乗り込みましたが、マイクが付いているのを忘れ、車内で会ったばかりの女性有権者に対して、頑固者呼ばわりしたことをマイクがとらえ報道されてしまいました。


ブラウン首相は、ラジオ放送で謝罪するとともに、件の女性有権者の家を訪問の上で直接謝罪して理解を得たと表明しました。


野党は一斉に今回の失言事件を批判しており、厳しい選挙戦を戦っている与党・労働党にとって、今回の失言事件は大きな失点となりました。

失言事件前に行われた世論調査によれば、与党・労働党の支持率は、保守党、自由民主党に次ぐ3位だったようです。


英国の来週の総選挙の結果が注目されるところかと思います。



米国のFOMCは、政策金利の据え置きを決定

4月28日(現地時間)、米国のFOMC(連邦公開市場委員会)は、政策金利(フェデラルファンドレート)を据え置く(0-0.25%)ことを決定しました。


低インフレと高水準の失業を理由に低金利を長期に継続する方針をあらためて表明しました。


なお、米国経済に対しては一段と明るい見方を示しました。


市場では、年内に利上げがあるという見方と利上げは来年以降との見方がありますが、今回のFOMCの声明は、後者の見方を後押ししたように見えます。


今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月28日水曜日

米国の2月のS&amp&#59;P/ケース・シラー住宅価格指数

4月28日(現地時間)、公表された米国の2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏)は、前年比プラス0.6%となりました。


前年比プラスは、3年ぶりでした。


都市圏別にみると、前年比プラスが9都市圏、同マイナスが11都市圏でした。


今回の結果からすると、米国の住宅市場は地域ごとに温度差はあるものの、全体としては回復に向かっているように見えます。


今後の推移を見守りたいと思います。


2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数 前年比(%)


San Francisco 11.90%
San Diego 7.60%
Los Angeles 5.30%
Washington 5.00%
Denver 3.60%
Cleveland 3.20%
Minneapolis 3.00%
Dallas 2.60%
Boston 1.80%
Atlanta -0.90%
Phoenix -1.60%
Charlotte -2.50%
Chicago -3.00%
New York -4.10%
Miami -4.40%
Portland -4.80%
Detroit -5.40%
Seattle -5.60%
Tampa -6.00%
Las Vegas -14.60%

Composite-10 1.4%
Composite-20 0.6%


(出所)S&P/ケース・シラー



米国の4月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数

4月28日(現地時間)、公表された米国の4月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数は57.9、前月よりプラス5.4ポイントとなりました。


事前の大方の市場予想はプラス予想でしたが、プラス幅は市場予想より大幅だったと言えます。


コンファレンス・ボード消費者信頼感指数は、前月(3月)も事前の大方の市場予想を上回るプラス幅でした。


こうしたことから、市場では強気の見方が勢いを増しているように見えます。


ただ、コンファレンス・ボード消費者信頼感指数と並ぶ米国の消費者マインドを示す有力な指数である、4月のミシガン大消費者信頼感指数は予想外のマイナスとなっています。


また、最近(4月17日終了週)の新規失業保険週間申請件数(季節調整済)は45万6千件と、過去の傾向からすると、雇用が拡大に向かう水準には達していません。


今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月27日火曜日

タイのプミポン国王が発言


4月26日(現地時間)、タイのプミポン国王が、タクシン支持派による抗議行動が発生して以来、初めて発言しました。


今回の発言は、事前に予定されていたもので、TVで放送され、多くのタイ国民が注視していました。


プミポン国王は、入院先の病院から、新任判事の宣誓式に対し、「自らの職務を忘れている者がいる」などと発言しました。


直接的に、タクシン支持派による抗議行動に言及はしませんでしたが、タイでは隠れた意味を探ろうという動きにあるようです。


今のところ、タクシン支持派と現政権との対立の構図に変化はないように見えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



日本の3月の企業向けサービス価格指数


4月26日、公表された日本の3月の企業向けサービス価格指数(2005年=100、速報値)は98.0、前年比マイナス1.1%となりました。


企業向けサービス価格指数 前年比 %

2009年
4月 -2.4
5月 -3.1
6月 -3.3
7月 -3.6
8月 -3.8
9月 -3.5
10月 -2.6
11月 -2.3
12月 -1.6
2010年
1月 -1.2
2月 -1.2
3月(速報) -1.1

(出所)2010年4月26日 日本銀行調査統計局


最近1年間で最大マイナス3.8%まで拡大したマイナス幅は縮小傾向を示しています。


前年比の前月差に寄与した主な小類別・品目


プラス


建築設計・測量、ホテル宿泊サービス、受託開発ソフトウエア、仮設資材レンタル・電子計算機レンタルなど


マイナス


テレビ広告・雑誌広告、外航タンカー・不定期船輸送、事務所賃貸(東京圏)など


企業向けサービス価格は、消費者向けの物価の先行指標と言え、今後の推移が見守られるところかと思います。



2010年4月26日月曜日

タイで新たな局面に入る可能性

タイで、反政府活動を続けているタクシン元首相支持派と治安部隊の衝突が続いていますが、新たな局面に入る可能性があるようです。


タクシン元首相支持派のリーダーは、トレードマークである赤いシャツを脱いで行動するよう指示をしたようです。


政府側は、反政府活動の拠点を実力で排除していく方針を明らかにしています。


こうした動きは平和的な解決が遠のいているように見えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



ギリシャの財務相が、IMF本部で記者会見

4月25日(現地時間)、ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相が、米国ワシントンのIMF本部で記者会見しました。


パパコンスタンティヌ財務相は、


・今回のIMF、EUへの支援要請は、金額だけの問題ではなく、ギリシャの改革が問題
・ギリシャは、(税金、年金、労働市場の改革など)困難な選択を行う用意がある


等とコメントしました。


今回の支援には厳しい条件が付いており、国際機関にギリシャが乗っ取られたかのような印象をギリシャ国民に与える懸念があります。


国内の世論はどのように反応していくのか気になるところです。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2010年4月25日日曜日

ユーロの経済の先行きに関する見方

最近、外部から見る限り、相反する評価が成り立ちうると思うことがあります。


例えば、ユーロの経済の先行きに関する見方です。


基本的に、ユーロ圏はギリシャなどの財政問題が経済の抑制要因として存在することは衆目の一致するところです。


最近のユーロ圏PMI、独ZEW景気期待指数などの先行指標は市場予想を上回る水準に上昇(=改善)しました。


一つの見方としては、先行きのユーロ圏経済はギリシャ財政問題を考慮してもそれも上回る回復に向かうことを示唆しているというものです。


もう一つの見方は、こうした指数はギリシャ財政問題を数カ月単位のリスクとしては評価しておらず、長い目でみた先行きのユーロ圏経済は不確実性が高まっているという見方です。


今後の推移を見守りたいと思います。



週明け後の主な予定

週明け後の主な予定は次の通りです。


26日(月曜)
国内:企業向けサービス価格 3月


27日(火曜)
海外:米 ケース・シラー住宅価格指数 2月
  米 消費者信頼感指数 4月
  米 FOMC 27日-28日


28日(水曜)
国内:商業販売統計 3月
海外:米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
  米 FOMC 政策金利発表
  ブラジル 中央銀行 政策金利発表


29日(木曜)
海外:米 新規失業保険申請件数 先週分
   EU ユーロ圏マネーサプライ 3月
   EU ユーロ圏景況感指数 4月 速報値
  EU ユーロ圏消費者信頼感指数 4月 改定値


30日(金曜)
国内:完全失業率 3月
   有効求人倍率 3月
   家計調査 3月
   消費者物価指数 東京都区部 4月中旬
   鉱工業生産 3月
   対外対内証券売買 先週分
   毎月勤労統計 3月 速報値
   自動車生産・輸出台数 3月
   石油統計 3月
   住宅着工統計 3月
   建設工事受注額 3月
海外:米 GDP 1-3月期 速報値
  米 雇用コスト指数 1-3月期
  米 シカゴ購買部協会景気指数 4月
  米 ミシガン大学消費者マインド指数 4月 確定値
   EU ユーロ圏消費者物価指数 4月 速報値
   EU ユーロ圏失業率 3月


個人的には、火曜公表予定のケース・シラー住宅価格指数、金曜公表予定の労働関係の指標、ユーロ圏のCPIなどに注目したいと思います。



2010年4月24日土曜日

米国の3月の耐久財新規受注

4月23日(現地時間)、公表された米国の3月の耐久財新規受注は前月比マイナス1.3%となりました。


事前の大方の市場予想はプラス予想だったところ、予想に反してマイナスになったと言えます。


今回のマイナスは輸送機器の落ち込みの影響が大きく、輸送機器を除く耐久財新規受注はプラス2.8%でした。


また、企業による設備投資の先行指標とされる航空機除く非国防資本財はプラス4.0%でした。


今月の結果のみを見る限り、悪くはないとの印象ですが、耐久財新規受注は月ごとにブレの大きい指標であり、今後の推移を見守りたいと思います。



ギリシャ首相は、EUとIMFに支援を要請

4月23日(現地時間)、ギリシャのパパンドレウ首相は、EUとIMF(国際通貨基金)に支援を要請しました。


支援を要請した金額は、450億ユーロ規模であり、支援が実行されれば、当面の必要資金として、5月19日に償還を迎えるギリシャ国債85億ユーロの資金は手当てされることになります。


ただ、ギリシャの負債は3000億ユーロ近くに上り、当面の危機は今回の支援で回避できたとしても、長い目でみたギリシャの危機は解決していないと考えます。


ユーロ通貨圏のギリシャの財政危機は、通貨としてのユーロだけでなく、ユーロという仕組みそのものを再構築していく可能性があり、ユーロがどのようにこの問題を乗り越えていくのかが注目されます。


今回の支援決定後のユーロのPMI、ドイツのZEW景気期待指数などがどのように推移していくのか見守るとともに、今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月23日金曜日

ユーロ圏の4月のPMI(速報値)

4月22日(現地時間)、公表されたユーロ圏の4月の総合PMI(総合購買担当者景気指数、速報値)は57.3、前月差プラス1.4ポイントとなりました。


事前の大方の市場予想はプラス予想だったところ、予想通りのプラスになったと言えますが、プラス幅は市場予想を上回りました。


製造業PMIは57.5、前月差プラス0.9ポイント、
サービス部門PMIは55.5、前月さプラス1.4ポイントとなりました。


4月20日(現地時間)、公表されたドイツの4月のZEW景気期待指数は53.0、前月差プラス8.5ポイントと大きく改善しました。


個人的には、今回、ユーロ圏の4月のPMIも市場予想を上回る改善を示したことからすると、ユーロ圏の経済は、思っていたより良いとの印象を強めました。


今後の推移を見守りたいと思います。



米国の先週分(4月17日終了週)の新規失業保険週間申請件数

4月22日(現地時間)、公表された米国の先週分(4月17日終了週)の新規失業保険週間申請件数(季節調整済)は45万6千件、前週比マイナス2万4千件となりました。


事前の大方の市場予想もマイナス(=改善)を予想しており、予想通りマイナスだったと言えます。


市場では、先週分のマイナスを好感した見方が出されているようです。


しかし、4週間移動平均は46万250件、前週比プラス2750件となりました。


個人的には、新規失業保険週間申請件数はブレが大きく、中期的なトレンドを見るには4週間移動平均が適当と考えます。

この意味で、新規失業保険週間申請件数が示唆する先行きの失業率の改善は、足踏みしており、改善するとしても一進一退といった状況を示唆しているように見えます。


今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月22日木曜日

タイの中央銀行は、政策金利の据え置きを決定

4月21日(現地時間)、タイの中央銀行は、政策金利の据え置き(1.25%)を決定しました。


タイは好調な経済を維持しており、出口戦略に向かうのが自然と思いますが、不安定な政治情勢が、先行きの経済、金融情勢にどのように影響するのか不透明な状況と言えます。


今月開催された首脳会議で、ASEAN各国は、出口戦略への着手に合意しています。


今後の推移が見守られるところかと思います。



英国のBOE(英中央銀行)は金融政策の継続を決定

4月21日(現地時間)、英国のBOE(英中央銀行)は、金融政策委員会で債券買取り枠の維持を含め、金融政策の継続を決定しました。


英国の3月の消費者物価指数は前年同月比プラス3.4%となっています。

見方にもよるかと思いますが、水準としてはやや高めの印象です。

他方、英国では5月の総選挙に向け、財政政策や経済政策の行方が注目されるところです。

与党労働党は、景気回復支援を柱としたマニフェストを発表しましたが、市場では、財政赤字の削減はポンドの信頼にとって重要との見方が出されており、景気回復に思い切った財政支出を行うことは難しいように見えます。


最悪の場合、ポンドへの信頼が揺らぐ懸念が強まれば、BOEは、金融引き締めに向かい、英国経済にとってマイナス要因になる可能性があるのではないかと思います。


今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月21日水曜日

インドの中央銀行は、政策金利を引き上げ

4月20日(現地時間)、インドの中央銀行は、政策金利を25bp引き上げました。


政策金利の引き上げは、事前の大方の市場予想通りの結果だったと言えます。


中央銀行は、経済成長は順調であり、2010年度の実質GDP成長率は8.0%と予想しています。


財務相は、インフレ率は5.5%を下回ると予想しています。


市場では、追加的な利上げが行われるとの見方が出されています。


今後の推移が見守られるところかと思います。



ドイツの4月のZEW景気期待指数

4月20日(現地時間)、公表されたドイツの4月のZEW景気期待指数は53.0、前月よりプラス8.5ポイントとなりました。


事前の大方の市場予想はプラス予想でしたが、予想を大きく上回るプラス幅だったと言えます。


ZEW景気期待指数は、市場関係者を対象に先行きの景気についてのアンケート調査により算出される指数ですが、今回、大幅プラスになったということは、ドイツの市場関係者の間では先行きの景気に対する見方が強まっていると言えます。


今回の指数のアンケート調査は、3月29日から4月19日にかけて行われました。

ギリシャ財政問題への懸念が高まっている中でアンケートは実施されたと言えます。


とすれば、ドイツでは、ギリシャ問題への懸念より先行きの景気回復に対する見方の方が上回っていると推定されます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2010年4月20日火曜日

米国の3月のコンファレンス・ボード景気先行指数

4月19日(現地時間)、公表された米国の3月のコンファレンス・ボード景気先行指数(季節調整後、2004年=100)は109.6、前月比プラス1.4%となりました。


事前の大方の市場予想を上回るプラス幅だったと言えます。


この結果のみからすると、米国の消費者マインドは、市場予想より速いペースで回復に向かっていることを示唆していると言えます。


4月16日(現地時間)、公表された4月のミシガン大消費者信頼感指数が事前の大方の市場予想に反してマイナスとなり、消費者マインドの落ち込みを示唆したのと対照的な結果になりました。


コンファレンス・ボード景気先行指数、ミシガン大消費者信頼感指数だけでなく、雇用関連の指標なども併せ、今後の推移を見守りたいと思います。



3月の消費者態度指数

4月19日、公表された日本の3月の消費者態度指数(一般世帯、原数値)は40.9、前月差プラス1.1ポイントとなりました。


消費者態度指数を構成する4項目(耐久消費財の買い時判断、雇用環境、収入の増え方、暮らし向き)全てが3カ月連続で前月比プラスになりました。


消費者態度指数は、リーマンショック前の消費者態度指数の水準は47~50程度であったところ、0.8掛け程度の水準まで回復したと言えます。


今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月19日月曜日

ポーランドのカチンスキ大統領の国葬

4月18日(現地時間)、ポーランドのカチンスキ大統領の国葬が営まれました。


国葬に先立ち行われた追悼式典会場及び周辺には国旗や花束などを持った約10万人もの人々が集まりました。航空機墜落による大統領の死亡は、ポーランドの民衆の連帯を強めたようです。


国葬に参列予定だった米国のオバマ大統領、ドイツのメルケル首相、フランスのサルコジ大統領、英国のチャールズ皇太子、スペインのサパテロ首相、カナダのハーパー首相らが、アイスランドの火山噴火に伴う空路制限で参列の取りやめを表明しました。


歴史的に緊密なバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の首脳、ロシアのメドベージェフ大統領、近隣のチェコのクラウス大統領などは国葬に参列しました。


ちなみに、ポーランドと日本の関係は伝統的に良好とされ、2007年5月に麻生外相のポーランド訪問や、2008年10月のシコルスキ外相の訪日及び同年12月のカチンスキ大統領の訪日など要人往来も活発に行われ、2009年は日・ポーランド国交樹立90周年でした。


連帯を強めた国や地域は経済にプラス効果があるのではないかと想像します。


カチンスキ大統領をはじめ航空機事故の犠牲者を悼みつつ、今後の推移を見守りたいと思います。



アイスランドでの火山噴火による影響

アイスランドでの火山噴火による影響で、ヨーロッパの空の便は大きな影響を受け、ロンドンやパリなどヨーロッパの主要空港は閉鎖が続いています。


ヨーロッパの航空会社の中には、今回の各国航空当局による飛行停止の措置は適当かどうか再検討して欲しいとの要望が出ており、飛行に問題がないかテストフライトを行う航空会社もでています。


今回、ヨーロッパの航空会社に1社当たり毎日2億ドルの赤字をもたらしているとの試算も出ています。


依然として火山灰はヨーロッパに留まっています。


今回の火山噴火は欧州経済への影響はどの程度長引くのか気がかりなところ、ギリシャの財政問題も併せてみると、下方リスクは高まっているように見えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2010年4月18日日曜日

名古屋開府400年祭

最近、名古屋に行く機会があり、JR名古屋駅に置かれていたパンフレットで、今年が名古屋開府400年祭の年にあたることを初めて知りました。


パンフレットから引用しますと、”名古屋のまちづくりは、1610年(慶長15年)の名古屋城築城と清須からの町ぐるみの移転(いわゆる清須越)に始まります。清須は土地が低く木曽川の氾濫や水攻めの恐れがあったため、敵を防ぎ味方を守るにふさわしい地ではなく、多くの兵の駐屯にも適していませんでした。そこで1600年(慶長5年)の関ケ原の戦いに勝利し、天下統一の構想を着々と進めていた徳川家康は、尾張平野の要衝にあり、陸海の連絡の利便性も良いことから、名古屋城の築城と清須からの遷府を正式に決定したとされています。”とのことです。


パンフレットを見ると、今年は毎月催事が行われ、各種予定がびっしり書かれていました。


自分は、仕事時間の合間に、名古屋城の天守閣2階で開催されていた、開府400年記念 名古屋城特別展「狩野派と名古屋城四〇〇年」を鑑賞しました。丁度、天気もよく、桜の花も咲く名古屋城を堪能しました。


先日、東海地方出身で東京在住の方に、「今年は名古屋開府400年祭ですね」と話しを向けたところ、「知らない」との答えにて、東海地方以外での周知は必ずしも十分ではないようです。


確かに、大金をかけた大々的なTVCFはなじまないとは思いますが、100年に一度のイベントで、名古屋の街中で年間を通じてイベントがあるのに、仮に、PR不足で東海地方以外からの集客が十分でないとすれば少しもったいない感じもします。


マクロ指標はともかく、実感としての経済に元気がないところ、ハコモノではなく、町の歴史や各種イベントで活性化するとすれば、素敵なことだと思います。


今年は、瀬戸内海で、直島、小豆島など7つの島々と高松を舞台に、現代アートの祭典、「瀬戸内国際芸術祭」が開催するとか。


日本の色々な地域が個性を活かした取り組みが人々の心を動かし、経済が社会がより活性化していくことを期待しつつ、今後の推移を見守りたいと思います。



週明け後の主な予定

週明け後の主な予定は次の通りです。


19日(月曜)
国内:特定サービス産業動態統計 2月
   鉄鋼生産 3月
   消費動向調査 3月
   百貨店売上高 3月


20日(火曜)
国内:第3次産業活動指数 2月
   工作機械受注 3月 確報
   コンビニエンスストア売上高 3月
海外:EU 経常収支 2月
  EU 独 ZEW景況感指数 4月
   印 中央銀行 金融政策決定会合


21日(水曜)
国内:主要銀行貸出動向アンケート 4月
   景気動向指数 2月 改定
海外:英 BOE 金融政策委員会議事録
  タイ 中央銀行 金融政策決定会合


22日(木曜)
国内:貿易統計 3月
   対外対内証券売買 先週分
   民生用電子機器国内出荷 3月
   全国スーパー売上高 3月
海外:米 生産者物価指数 3月
  米 新規失業保険申請件数 先週分
   米 FHFA住宅価格指数 2月
  米 中古住宅販売件数 3月
   EU EU加盟国政府の2009年財政赤字、債務データ公表
  EU PMI景況指数 4月 速報
   EU 消費者信頼感指数 4月 速報


23日(金曜)
国内:パソコン出荷 3月
   全産業活動指数 2月
海外:米 耐久財受注 3月
  米 新築住宅販売件数 3月
   EU 鉱工業新規受注 2月
   英 GDP 1-3月 速報
   中国 北京モーターショー


個人的には、火曜公表予定の独ZEW景況感指数、木曜公表予定のEU加盟国政府の2009年財政赤字、EU PMI景況指数、EU 消費者信頼感指数などに注目したいと思います。



2010年4月17日土曜日

ユーロ圏の財務相は非公式会議

4月16日(現地時間)、ユーロ圏の財務相は非公式会議で、ユーロ圏域内の経済危機に対処する恒久的メカニズムを構築することで原則的に合意したようです。


同日、10年物のギリシャ国債利回りとドイツ連邦債との利回り格差は、442bpと、前日終値比27bp拡大しました。


ギリシャへの支援策適用の可能性は高まっていると言えます。


今後の推移を見守りたいと思います。



米国の4月のミシガン大消費者信頼感指数(速報値)

4月16日(現地時間)、公表された米国の4月のミシガン大消費者信頼感指数(速報値)は69.5、前月比マイナス4.1ポイントとなりました。


大方の市場予想は、プラスを予想していたところ、予想外のマイナスになったと言えます。


ミシガン大消費者信頼感指数は、米国の消費者心理を表し、消費の先行きをうらなう指標と理解されます。


先日、4月14日(現地時間)、公表された米国の3月の小売売上高(季調済、速報値)は前月比プラス1.6%と3カ月連続のプラスになりました。

しかし、今回の4月のミシガン大消費者信頼感指数の結果からすると、米国の先行きの消費の減速を示唆したように見えます。


個人的には、現状、新規失業保険申請件数が2週連続して悪化したことも勘案すると、米国景気の先行きは慎重な見方が適当ではないかと思います。


今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月16日金曜日

中国の第1四半期のGDP成長率

4月15日(現地時間)、公表された中国の第1四半期のGDP成長率は前年比プラス11.9%となりました。


事前の大方の市場予想よりプラス幅は大きかったと言えます。


同日、公表された中国政府の上半期のCPI(消費者物価指数)見通しによれば、前年比プラス2.5%前後とのことです。第1四半期のCPIは前年比プラス2.2%であり、4-6月はCPIの上昇が加速する見通しです。


市場では、中国の為替政策に関心が集まっていますが、中国の金融政策の動向と合わせ、今後の推移が見守られるところかと思います。



米国の先週分(4月10日終了週)の新規失業保険週間申請件数

4月15日(現地時間)、公表された米国の先週分(4月10日終了週)の新規失業保険週間申請件数は48万4千件、前週比プラス2万4千件となりました。


事前の大方の市場予想ではマイナス予想(=改善)であったところ、プラス(=悪化)になったと言えます。


トレンドを示す4週間移動平均は45万7750件、前週比プラス7500件となりました。


個人的には、これで4週間移動平均の前週比プラスは2週間連続となったこと、また、件数の水準が44万~45万件の水準から上方に外れていることは気がかりです。


米国の雇用情勢の改善は足踏みしているように見えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2010年4月15日木曜日

米国のベージュブック

4月14日(現地時間)、公表された米国のベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、殆どの地区(セントルイス連銀担当地区を除く11地区)で、経済活動はやや強まったと指摘しました。


この他、


・労働市場は弱いが、一時的な雇用は回復してきた。
・小売は大半の地域で増加した。
・融資は大半の地域で縮小した。


など指摘しました。


同日のバーナンキFRB議長は、議会で、低金利政策を継続する考えを証言しました。


ただ、さらに労働市場の改善が進んでいけば、低金利の見直しに向けた環境の一つがクリヤされると考えられ、今後の推移が見守られるところかと思います。



米国の3月の小売売上高

4月14日(現地時間)、公表された米国の3月の小売売上高は前月比プラス1.6%となりました。


事前の大方の市場予想より大幅なプラスだったと言えます。


同日、公表された米国の3月のCPI(消費者物価指数、総合)は、前月比プラス0.1%となりました。


食品・エネルギーを除くコア指数は前月と変わらずでした。


この結果を見る限り、米国のインフレは抑制されているように見えます。


とすれば、米国は低金利政策を継続可能な状況にあるように見えます。


米国の小売が継続的に回復していくのかどうかなどを含め、今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月14日水曜日

3月の国内企業物価指数

4月13日、公表された3月の国内企業物価指数は前年同月比マイナス1.3%となりました。


これで前年同月比マイナスは15カ月連続となりました。


企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格動向を表す指標で、各物価指数で最も先行性のある指標と言えます。


その意味でマイナスになったことはデフレの厳しさを表したと言えます。

ただ、企業物価指数のマイナス幅は昨年夏をボトムとして縮小傾向にあります。


需給ギャップの大幅マイナスという環境にあっては容易ではないと思いますが、スクラップ類など商品市況が上昇している中で各企業が製品価格に転嫁していけるかどうかが、先行きのデフレをうらなう上で注目されるところかと思います。


今後の推移が見守られるところかと思います。


企業物価指数 前年比(%)

2009年
2月 -2.0
3月 -2.6
4月 -4.1
5月 -5.6
6月 -6.8
7月 -8.4
8月 -8.5
9月 -7.9
10月-6.8
11月-5.0
12月-0.7
2010年
1月-2.2
2月-1.6
3月-1.3
��出所)日本銀行



作家井上ひさし氏の逝去を悼んで

4月9日、作家の井上ひさし氏が亡くなりました。満75歳でした。


井上ひさし氏の著作というと、個人的には「ブンとフン」、「ドン松五郎の生活」、「青葉繁れる」、「偽原始人」などが思い出されます。


子供の頃に夢中で見ていたNHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」は、随分大きくなってから氏の脚本と知ったものでした。


自分が読んだ井上ひさし氏の著作から思っていたイメージは、昭和の戯作者というものでした。


例えば、学生生活を題材にした、優しく、明るい作品も面白かったですが、井上ひさし氏の真骨頂は、古典や著名な作品に対する井上ひさし氏の解釈や批判を作品を通じて発表していたものの中にあるというように感じていました。


井上ひさし氏の作風は、どこか北大路魯山人の作陶に似ていると思っていました。ただ、井上ひさし氏の方が批判精神がとても旺盛だったように感じます。


自分にとって、現在活躍されている作家で井上ひさし氏と同様のイメージにある方はいません。最も近いイメージだったのは、遠藤周作氏でしたが、既に遠藤氏も故人となってしまいました。


年齢的に大先輩な井上ひさし氏に対して失礼な表現かも知れませんが、とてもパワーのある、太い幹をもつ樹のような、それでいて繊細な、面白い作品を書く作家がまた一人いなくなったような気がします。


ご冥福をお祈りいたします。



2010年4月13日火曜日

米国の3月の財政収支


4月12日、公表された米国の3月の財政収支は、653億9千万ドルの赤字となりました。


米国の昨年3月の財政収支は1915億9千万ドルの赤字であり、今年3月の財政収支は大きく歳出が減少したと言えます。


主たる歳出減の要因は、昨年3月は1147億ドル支出した不良資産救済プログラム(TARP)に関する歳出が今年は59億ドルと大きく減少したことがあげられます。


ただ、3月26日(現地時間)、オバマ政権は、140億ドル規模となる住宅保有者支援プログラムの拡充内容を発表しました。


今回、過去最長となる18カ月連続赤字になりましたが、市場では財政の出口戦略に注目が集まりつつあり、今後、歳出削減だけでなく、歳入の動向も含め、財政収支の動向が見守られるところかと思います。



2月の特定サービス産業動態統計(速報)


4月12日、公表された2月の特定サービス産業動態統計(速報)によれば、対事業所サービス業では、3業種がプラス、14業種がマイナスになりました。


プラスの業種

・インターネット附随サービス業(+4.5%)
・機械等修理業(+0.9%)
・クレジットカード業(+0.2%)


また、対個人サービス業では、3業種がプラス、10業種がマイナスになりました。


プラスの業種

・映画館(+10.1%)
・葬儀業(+1.3%)
・学習塾(+0.8%)


子ども手当ての関係から売上増が見込まれる学習塾は2月時点ではまだそれほど増加していないようです。

今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月12日月曜日

タイでのデモ隊と治安部隊の衝突とSET指数

タイで、タクシン支持派のデモ隊と政府の治安部隊が衝突しています。


日本人カメラマン(村本博之さん)が死亡するなど多数の死者が出ています。


こうした中、タイのバンコク株式市場のSET指数の終値は789.66(THB)、前日比プラス0.73%となりました。


市場では、タイ株に対する強気の見方も出ているようです。


しかし、外国人投資家はタイ株を売り越しているようです。


タイにおけるこうした政治的、社会的な対立に起因する混乱は、観光収入の減少などによりタイの経済成長にとってマイナス要因として働くと考えます。


新興国株式投資は、適切なリスク評価を踏まえて行うことが重要と考えます。


タイの政情と政策対応の推移を見守りたいと思います。



ポーランドの政府専用機が墜落、同国大統領、中央銀行総裁らが死亡


4月11日(現地時間)、ポーランドの政府専用機が墜落し、カチンスキ大統領ら多数の政府要人が死亡しました。


ポーランドは、カチンの森(※)事件をめぐり、ロシアとの歴史的和解に向けた動きにあるところでした。
※第2次大戦中にポーランド軍将校ら2万人以上が旧ソ連秘密警察に虐殺されたとされる事件。


今回、政府専用機には、大統領だけでなく、中央銀行総裁も乗っていました。


市場で、東欧諸国は、経済が予想より悪化するとの見方が強いところ、先月29日、ハンガリーとルーマニアの中央銀行は政策金利の引下げを決定しました。


ポーランドはEU加盟国のなかで2009年に唯一プラス成長を達成した国ですが、国内物価上昇率は依然として弱いと言われています。


こうした難しい金融政策の舵取りの局面で、中央銀行総裁が死亡したことは気になるところです。


今回のポーランドの政府専用機が墜落を悼みつつ、今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月11日日曜日

軽井沢から横川までバスに乗って

先月、しなの鉄道の軽井沢駅から信越線の横川駅までバスに乗りました。


1997年9月末以前は、鉄道(JR)が通っていましたが、同年10月1日、長野新幹線の開業に伴い、横川・軽井沢駅間は廃止されました。


横川・軽井沢駅間は、碓氷峠があり、66.7‰という急な勾配で、当時は全ての列車が、自らの列車のパワーだけでは峠を登りきれず、また、峠を降りるには制動力が不足していたため、機関車の連結作業のため停車していました。


下り列車(横川から軽井沢へ向かう列車)は、機関車を後に連結して押し上げる必要があり、逆に上り列車(軽井沢から横川へ向かう列車)は、先頭に機関車を連結して、機関車のブレーキを借りて運行していました。


鉄道事業者にとって、横川・軽井沢駅間は手間と時間(コスト)のかかる区間であったと言えます。


横川駅前には釜飯で有名な「おぎのや」の店があります。また、近くにはレンガ造りの旧丸山変電所などがあります。


長野新幹線が開通した当時、こうした場所が見れなくなることにはあまり気にとめませんでした。


しかし、今にして思えば、遠い昔、軽井沢・横川間は、トンネルをいくつもくぐり、鬱蒼とした森をぬけていきました、横川駅では弁当が盛んに売られていました。そこには多くの活気がありました。


鉄道は単なる移動手段ではなく、驚きや思い出など鮮明な場面がいくつもありました。


経済成長期にあっては、鉄道は、経済の道具としての側面が強く、新幹線のように早く大量に人を運ぶことが重要と考えます。


経済が成熟期にある現在、鉄道の意味は何でしょうか。インターネットなど通信手段が発達した現在、大量に人を運ぶ意義は薄れ、移動の過程そのものに価値を見出すことが重要になってきているような気がします。


今も全国で新幹線整備が進行しています。


新幹線は便利な乗り物ですが、失うものも相当大きく、そして失ったものの大きさに気づいた時にはもう取り返すことは困難です。


新幹線整備だけでなく、地方空港問題なども含め、交通網のあり方に関する議論が適切に行われることを期待したいと思います。



週明け後の主な予定

週明け後の主な予定は次の通りです。


12日(月曜)
国内:特定サービス産業動態統計 2月
   ビール・発泡酒出荷 3月
海外:米 財政収支 3月


13日(火曜)
国内:企業物価指数 3月
  マンション発売 3月
海外:米 貿易収支 2月
  米 輸入物価指数 3月


14日(水曜)
国内:マネタリーサーベイ 2月
   移動電話国内出荷 2月
   商業販売統計 2月 確報
海外:米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
  米 CPI(消費者物価指数) 3月
  米 小売売上高 3月
  米 企業在庫 2月
  米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
   EU ユーロ圏鉱工業生産 2月


15日(木曜)
国内:製造業部門別投入・産出物価指数 3月
   対外対内証券売買 先週分
   鉱工業生産 2月 確報
海外:米 新規失業保険申請件数 先週分
   米 鉱工業生産・設備稼働率 3月
   EU ユーロ圏貿易収支 2月
   中国 GDP 1-3月期


16日(金曜)
国内:毎月勤労統計 2月 確報
海外:米 住宅着工・建設許可件数 3月
  米 ミシガン大学消費者信頼感指数 4月 速報
   EU 新車販売台数 3月
  EU ユーロ圏消費者物価指数 3月
   EU 財務相・中央銀行総裁非公式会議


個人的には、木曜公表予定の中国のGDP、金曜公表予定の米国ミシガン大学消費者信頼感指数、金曜から行われる予定のEU財務相・中央銀行総裁非公式会議などの動きに注目したいと思います。



2010年4月10日土曜日

フィッチ・レーティングスは、ギリシャの格付けをBBB+から2ノッチ引き下げ

4月9日(現地時間)、格付機関のフィッチは、ギリシャの格付けをBBB+から2ノッチ引き下げ、BBB-としました。


BBB-は、ぎりぎりで投資適格と言えますが、フィッチは、見通しをネガティブとしているので、特段の事情がない限り、今後、投資不適格に格下げする可能性を示唆しているように見えます。


同日、ロンドン市場では、10年物ギリシャ国債と独連邦債の利回りスプレッドは398bpまで縮小していたところ、412bpへ拡大しました。


他の海外格付機関、Moody'sはA2、S&PはBBB+と格付けしています。


今後他の格付機関も引下げに動けば、スプレッドはさらに拡大する可能性が高いと考えられます。


ECB(欧州中央銀行)は、同日に電話会合を開催したとの報道がありましたが、開催が行われたのか、また会合の内容はどのようなものであったかは明らかではありません。


ECBや欧州委員会は、今後どのような判断を行うのか、推移が見守られるところかと思います。



米国の2月の卸売在庫

4月9日(現地時間)、公表された米国の2月の卸売在庫は前月比プラス0.6%となりました。


事前の大方の市場予想を上回るプラス幅だったと言えます。


大方の市場は、在庫の増加を期待してきたところ、今回の結果は好ましい兆しと受けとめたようです。


自分も在庫の増加を期待するものですが、前年比ではマイナス7.4%であり、また、対売上高在庫比率は前月と変わらず(1.16ヵ月)であったことからすると、個人的には、米国の2月の卸売在庫は増加に向かう兆しを示したと受けとめることが適当と考えます。


今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月9日金曜日

ECB、BOEの政策金利決定

4月8日(現地時間)、ECB(欧州中央銀行)は、政策金利の据え置き(1%)を決定しました。


ECBのトリシェ総裁は、ギリシャへの融資は、ギリシャ政府からの要請があった場合に検討され、ECBとしては補助金的な融資は行わない考えであることを明らかにしました。


また、今後、欧州各国の財政再建に向け、間接税などが大きく上昇する可能性があるとの見方を示しました。


中期的なインフレ圧力はないとの判断にあるとのことでした。


同日、BOE(英国中央銀行)は、政策金利の据え置き(0.5%)を決定しました。


欧州では、下振れリスクを抱え、また、英国は5月に予定されている総選挙後の財政政策に注目が集まっています。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2月の機械受注、3月の景気ウォッチャー調査

4月8日、公表された日本の2月の機械受注総額は1兆9,006億円、船舶・電力を除く民需の受注額(季節調整値)は6846億円、前月比マイナス5.4%となりました。


民間設備投資の先行指標である、船舶・電力を除く民需の受注額は、事前の大方の市場予想では、プラス予想であったところ、予想に反してマイナスになったと言えます。


同日、公表された日本の3月の景気ウォッチャー調査による現状判断DIは47.4、前月比プラス5.3 ポイントとなりました。


依然として分かれ目である50を下回っているものの、前月比プラスは4カ月連続となりました。


景気ウォッチャー調査の結果からすると、個人のマインドは改善に向かっているようです。子供手当や高校無償化の実施が要因となっているのではないかと推定します。


ただ、厳しい雇用情勢が続く中で、こうした施策の効果がどの程度広がっていくのか、また、デフレ傾向にある中で個人消費が大きく盛り上がるのか、気になるところです。


今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月8日木曜日

米国の2月の消費者信用残高

4月7日(現地時間)、公表された米国の2月の消費者信用残高は2兆4479億ドル、前月比マイナス115億ドル、年率換算マイナス5.6%となりました。


マイナスが続いていた米国の消費者信用残高は、1月にプラスに転じ、大方の市場予想は2月もプラスになると予想していました。


今回、予想に反してマイナスになったと言えます。


内訳をみると、リボ払いが年率換算マイナス13.1%、非リボ払いが同マイナス1.6%となりました。


新車向けローンの金利が前月の3.94%から4.72%に大きく上昇しました。


個人的には、米国の雇用回復と消費者信用残高の増加がエンジンとなって米国の消費が回復していくシナリオを期待していましたが、消費者信用残高の回復は足踏みしているように見えます。


今後の推移を見守りたいと思います。



キルギスで、野党のデモ隊と治安部隊が衝突

4月7日(現地時間)、キルギスで、野党のデモ隊と治安部隊が衝突し、多数の死傷者が出ました。


デモ隊は、政府の腐敗に抗議し、バキエフ大統領の退陣を求めています。


デモ隊は、地方都市の政府庁舎を占拠し、支配下に置いたようです。


バキエフ大統領は首都ビシケクなどで非常事態を宣言する事態になっています。


キルギスは旧ソビエト連邦の共和国で、軍事戦略上の重要地点に位置しています。


2001年12月以降、米軍がアフガニスタンにおける対テロ作戦実施のためキルギス・マナス空港に駐留しています。キルギスは、2009年2月、米軍に8月18日までの駐留期限終了を通告しましたが、同年6月、米・キルギス両国は、米軍による同基地の実質的な継続使用の協定に合意しています。

一方で、2003年10月以降集団安全保障条約機構(CSTO)の枠内で、ロシア空軍(カント基地)が駐留しています。


今回のデモで、バエキフ大統領政権は存続の危機に直面しているように見えます。


仮に、政権交代となった場合、外交政策に影響はあるのかどうか、慎重に見守りたいと思います。



2010年4月7日水曜日

オーストラリアの利上げ、米国FOMC議事録公表

4月6日(現地時間)、オーストラリアの中央銀行(RBA)は、政策金利(オフィシャルキャッシュレート)の0.25%引き上げを決定しました(引き上げ後の政策金利4.25%)。


今回の利上げは、事前の市場予想通りの結果と言えます。


今回、RBAは、今後1年の成長率がトレンドに近く、インフレ率もターゲットに近くなると予想し、政策金利を通常の金利水準に近づけることが適切と判断した旨の表明しました。


市場では、RBAの考えている通常の金利水準に比べ、引き上げ後の金利水準はまだ低く、追加的な利上げがあると予想しています。


4月6日(現地時間)、公表された米国のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録によれば、個人消費の先行きについて、高い失業率や労働市場環境や住宅価格の下落による逆資産効果などによって抑制される可能性が高いという見方にあり、早期の利上げに慎重なことが明らかになりました。


金融政策の出口に近づくオーストラリア、出口はまだ遠い米国と言えます。


今後の各国経済、為替などの行方が気になるところです。



英国の総選挙と景気の行方

4月6日(現地時間)、英国のブラウン首相はエリザベス女王から議会を解散する許可を得ました。


今後、4月12日に議会解散後、5月6日に総選挙の予定です。


現在、英国の各種世論調査によれば  野党保守党が与党労働党をリードしていますが、その差は以前に比べ縮小してきています。


労働党は4期目の政権を、保守党は13年ぶりの政権奪回をそれぞれ目指すことになります。


景気は回復に向かっているものの、最近、財政問題に関し、EUのPIIGS諸国などへの注目が高まっています。


金融政策に関する早すぎる出口戦略、経済の自律的回復とのバランスではあるものの、早すぎる財政問題への取り組みは、景気を腰折れさせる可能性があると考えられるからです。


今回、英国の総選挙の争点の一つは、財政問題への取り組みであり、総選挙の結果次第で、英国の先行きの景気動向に大きく影響する可能性があります。

また、英国だけの問題に留まらない可能性があります。


今後の選挙戦における各党の主張、英国総選挙の行方が注目されるところかと思います。



2010年4月6日火曜日

パキスタンでの自爆攻撃から連想する今後の印象

4月5日(現地時間)、パキスタンで政治集会を狙った自爆攻撃があり、この数時間後に米国領事館が武装勢力による攻撃を受けました。


イスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動」が犯行声明を出しました。


今のところ米国人の負傷者は出ていない模様です。


パキスタンとアフガニスタン国境地域では、反政府武装勢力の掃討作戦が続き、テロによる報復が続く可能性が高い状況にあり、パキスタンの治安は悪化傾向にあると考えられます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



米国の3月のISM非製造業総合指数

4月5日(現地時間)、公表された米国の3月のISM非製造業総合指数は55.4、前月比プラス2.4ポイントとなりました。


これで、景気の分かれ目である50を3ヵ月連続で上回りました。


55.4は最近1年間で最も高い水準でした。


サブインデックスをみると、新規受注は62.3、前月比プラス7.3ポイント、雇用は49.8、前月比プラス1.2ポイントとなりました。


受注状況が改善に向かい、雇用が分かれ目である50を目前にした水準にあると言えます。


期待をこめて、今後の推移を見守りたいと思います。



2010年4月5日月曜日

オーストラリア沖で中国籍の船舶が座礁

4月4日(現地時間)、オーストラリア沖で中国籍の船舶が座礁し、油が漏れているようです。


今のところ油漏れの規模は大きくないようですが、この船舶は、石炭専用船で、1000トンの燃料を積載していると言われ、油漏れの規模拡大の可能性が指摘されています。


座礁した場所はクイーンズランド州付近の海域で、世界最大の珊瑚礁、グレートバリアリーフへの悪影響が懸念されています。


今回の座礁事故は、同海域における船舶の航行問題に議論が発展する可能性があり、仮に、クイーンズランド沖の航行が制限されると、例えば、ニューサウスウェールズ州にあるマウントソーレーイ炭鉱の石炭のコストが上昇する可能性があるのではないかと推定します。


今後の推移が見守られるところかと思います。



南アフリカの極右団体のリーダーが殺害

4月3日(現地時間)、南アフリカの極右団体のリーダーが殺害されていることが見つかりました。


このリーダーは、アフリカーナ抵抗運動という白人至上主義の組織のユージン・テレブランシュ氏です。


今回の殺害は、農園労働者との賃金支払いに関するトラブルが原因の模様であり、とすれば、政治的背景はないと言えます。


この事件が広がりをもち、南アフリカの政治情勢に影響を与えるのかどうか、南アフリカのズマ大統領は、平静を呼びかけているようです。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2010年4月4日日曜日

各地で桜が開花

各地で桜が開花しています。


先週、日本本州から中国北東部にかけて冷たい北風が入り、異常低温となったおかげからか、桜の花がゆっくり開花しているような気がします。


近所の公園の桜もきれいに咲いています。


最近、靖国通り、武道館近くを通りがかった時にたくさんの人々が立ち止まって桜を観ていました。

携帯で写真をとり、老若男女が微笑みながら桜が咲いているのを楽しんでいました。

微笑む人々がさらに周りに微笑みを連鎖していっているように見えました。


異常気象が桜を楽しむ日本人にとっては好ましい影響があったのかも知れません。


世界を見ると、アフリカの西岸やマダガスカル周辺では先週、異常高温になったようです。

例えば、アルジェリアのゴレアでは、3月29日の日最高気温が38℃となりました。平年値約25℃に比べ13℃程度高かったと言えます。また、セネガルのランゲールでは、3月27日、29日~30日の日最高気温が44℃と、こちらも平年値より高かったようです。


年がら年じゅう異常気象のニュースばかりで、こうしたニュースには鈍感になってきたような気がします。


景気の牽引役として、環境関連産業に期待がかかっています。


ただ、単なる思い込みかも知れませんが、直感的には、明確な方向感がないままにイメージが先行しているような気がします。政府や民間団体などが積極的に発信して社会のインフラや仕組みとのルールや基準を明確にして、より効率的に環境関連産業が発展するよう期待するものです。


今後の推移を見守りたいと思います。



週明け後の主な予定

週明け後の主な予定は次の通りです。


5日(月曜)
国内:鉱工業出荷内訳表 2月
海外:米 ISM非製造業景況指数 3月
  米 中古住宅成約指数 2月


6日(火曜)
国内:景気動向指数 2月
海外:米 FOMC議事録公表
   豪 中央銀行 政策決定


7日(水曜)
国内:外貨準備高 3月
海外:米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
  米 消費者信用残高 2月
  EU ユーロ圏総合景気指数 3月 改定
  EU ユーロ圏GDP 10-12月 確定
  EU ユーロ圏PPI(生産者物価指数) 2月

8日(木曜)
国内:機械受注 2月
   国際収支 2月
   対外対内証券売買 先週分
   オフィス空室状況 3月
   景気ウォッチャー調査 3月
   工作機械受注 3月 速報
海外:米 新規失業保険申請件数 先週分
   EU ユーロ圏小売売上高 2月
  EU ECB(欧州中央銀行) 政策金利発表
英 BOE(英中銀) 政策金利発表


9日(金曜)
海外:米 卸売在庫 2月


個人的には、週明け後、火曜のオーストラリアの政策金利、FOMC議事録、木曜のECB、BOEの政策金利決定後の発表内容などに注目したいと思います。



2010年4月3日土曜日

中国の3月のPMI

4月1日(現地時間)、公表された中国の3月のPMI(購買担当者指数)は55.1、前月比プラス3.1ポイントとなりました。


事前の大方の市場予想を上回るプラス幅だったと言えます。


個人的には、前月、大きく低下し、今回の結果に注目していました。


今回の結果のみからすると、中国の製造業は拡大を続けていると考えられます。


市場には中国からみた外需は不透明との見方がありますが、米国は緩やかなペースがら景気回復過程にあり、今のところEUも景気回復に向かっていることからすると、現時点では不安材料があるとしても当面の中国製造業の拡大は期待できると考えます。


今後の推移を見守りたいと思います。



米国の3月の雇用統計

4月2日(現地時間)、公表された米国の3月の雇用統計によれば、3月の非農業部門雇用者数は前月比プラス16万2千人、失業率は前月比変わらず9.7%となりました。


非農業部門雇用者は2カ月ぶりのプラスとなりました。


ただ、プラス幅は大方の事前予想より小幅だったと言えます。


市場では、プラスを好感する見方とプラス幅が小幅だったことで落胆する見方の両方があるようです。


個人的には、今年は国勢調査のために政府部門の雇用が増える見込みですが、これは一時的なものです。

そうしてみると、今回、民間部門がプラス12万3千人となったことは好ましい兆しであると考えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2010年4月2日金曜日

3月のISM製造業景気指数

4月1日、公表された米国の3月のISM製造業景気指数は59.6、前月比プラス3.1ポイントとなりました。


これで景気の分かれ目である50を上回ったのは、8ヵ月連続となりました。


米国の製造業の景気拡大は鮮明と言えます。


4月2日(現地時間)の米国の雇用統計の発表が見守られるところかと思います。



3月の日銀短観

4月1日、公表された3月の日銀短観によれば、


業況判断指数(DI)は、


大企業
 製造業  マイナス14(前回2009年12月比 11ポイント改善)
 非製造業 マイナス14(同 7ポイント改善)


中堅企業
 製造業  マイナス19(前回2009年12月比 10ポイント改善)
 非製造業 マイナス21(同 6ポイント改善)


中小企業
 製造業  マイナス30(前回2009年12月比 11ポイント改善)
 非製造業 マイナス31(同 3ポイント改善)


となりました。


市場では、今回の結果を受け、今後の設備投資に対する期待など好感する見方が多いようです。


ただ、個人的には、実体経済活動と相関が高いと言われる中小企業の非製造業の業況は依然厳しい状態が続いており、実感できる景気回復にはまだ時間がかかるように見えます。


今後の推移が見守られるところかと思います。



2010年4月1日木曜日

3月のユーロ圏CPI

3月31日(現地時間)、公表された3月のユーロ圏CPI(16カ国、消費者物価指数、速報値)は、前年同月比プラス1.5%となりました。


事前の大方の市場予想よりプラス幅は大きかったと言えます。


今回の結果に対し、市場では、エネルギー価格の上昇が要因であり、依然としてインフレ圧力は抑制されているとの見方にあるようです。


大方の市場予想では、ECB(欧州中央銀行)は、年内は政策金利を据え置くと予想しています。


今後の推移が見守られるところかと思います。



米国の3月のADP雇用報告

3月31日(現地時間)、公表された米国の3月のADP雇用報告によれば、米国の3月の民間部門の雇用者数は前月比マイナス2万3000人となりました。


事前の大方の市場予想では、プラスを期待していたところ、予想外のマイナスになったと言えます。


ADP雇用報告は、米国の雇用統計の先行指標と理解されており、今週金曜に公表予定の米国の雇用統計に対する市場の期待は後退したようです。


今回の結果のみからすると、米国の景気回復ペースは市場が考えているより緩やかになりそうです。


今週金曜公表予定の雇用統計など、今後の推移を見守りたいと思います。