2009年8月2日日曜日

ナイジェリアでの武装組織と治安部隊の衝突に思うこと

過日、ナイジェリアでの武装組織と治安部隊の衝突で多数の死傷者が出ました。


これは、ナイジェリアのタリバンと呼ばれるイスラム系グループが警察署や政府の建物などを攻撃したものでした。

イスラム系グループは、イスラムの法に基づく裁判所を、ナイジェリア全土に設置するよう求めるなどしたようです。

海外メディアによれば、 イスラム系グループは、政府職員、市民を無差別に攻撃したようです。


イスラム系グループに対する地元市民の指示は低下しているようです。


ナイジェリアは、アフリカ西部に位置するアフリカにおける政治・軍事・経済大国で、アフリカ諸国最大の人口、OPEC第6位・世界第13位の産油国となっています。

OPEC第5位(2006年)の産油国ですが、政治的な問題などから、原油収入が適切に利用されず、貧困の緩和やインフラの整備が進んでいないと言われています。


ナイジェリアは、国家予算の原油価格の基準を2008年の1バレル当たり59ドルに対し、2009年予算では当初62.5 ドルと見積もっていました。原油収入は、ナイジェリアの総輸出額の9 割、国家収入の8 割を担っており、原油価格の下落は、国家予算に大きな影響を与えています。

また、最近、治安悪化により、原油生産量も伸び悩んでいると言われています。


シェル、モービル、シェブロン等国際石油資本がナイジェリア石油公社と合弁するなど、欧米諸国とは、民間レベルにおいて活発な経済関係を維持しています。

対日意識は、地理的に遠く、日本の進出が歴史的に遅かった等から、一般的に高くないと言われています。


こうした事情もあってか、欧米のマスコミでは、今回のナイジェリアの問題を大きく取り上げたものの、日本における取り上げ方は欧米ほどではなかったように思います。


リーマンショック前、日本の商社を中心に、ナイジェリアの石油資源に対する関心は高まっていました。


ナイジェリアは、現在の対日関係は強いとは言えないものの、長い目で見て注目される国の一つかもしれません。


今後の推移が注目されるところかと思います。