3月18日(現地時間)、中国商務省は、米コカ・コーラによる中国の果汁飲料最大手である中国匯源果汁集団を買収する計画が、中国の独占禁止法違反にあたるとして、買収を認めない判断が示されました。
昨年の計画発表後、中国のネットサイトで行われた投票では、今回の買収計画に反対との意見が82%を占めたとの報道もされていました。
各種報道を見ると、中国ブランドが外資の手に落ちることへの拒否反応が大きく影響したとの見方を取り上げているものが多いようです。
同日、中国政府は、今回の買収を認めない判断をしたことについて、中国の独占禁止法に沿った客観的な決定で、外部の影響を受けておらず、保護主義によるものではないと表明しました。
ある調査会社によれば、コカ・コーラの中国での炭酸飲料の市場シェアは52.5%に達していたようです。
そして、今回買収対象となった中国匯源果汁集団は、匯源や美汁源といったブランドで、中国果汁市場のシェアは約40%に達していたようです。
中国の独占禁止法は、法律の専門家から、"競争法としての枠組み、体系がしっかりしており、時間はかかるにせよ、着実に欧米並みの競争ルール、実務に発展していくものと予想される。欧米では、中国経済が順調に拡大していくと、中国競争法は、将来的に米国反トラスト法、EU競争法と並ぶ3大競争法の1つになる可能性があると評価されている"(「独占禁止法と国際ルールへの道」村上政博 NBL No.901)との評価がされています。
最近の中国の経済成長は、外資による中国への直接投資を活用し、中国から海外への輸出産業が大きなエンジンであったと思います。
中国商務省によれば、今年2月の海外から中国への直接投資額は、前年同月比マイナス15.8%になったようです。
1月のマイナス32.7%より縮小したとはいえ、対中直接投資の減少傾向には、未だ歯止めがかかっていないと言えます。
買収を認めない判断を明らかにした3月18日朝方の香港株式市場では、今回の対象会社、中国匯源果汁集団の株価は2割以上急落し、売買停止となりました。
実際のところ、今回の判断に、世論が影響を与えたかどうかはわかりませんが、独占禁止法に関する判断は、長い目でみて中国経済の行方に大きな影響を与えていく可能性があると思います。
中国の独占禁止法は、制度としてはしっかりしているようであり、今後、運用の積み重ねが注目されていくところかと思います。