報道によれば、バングラデシュの総選挙で、野党のアワミ連盟が圧勝したとのことです。
バングラデシュでは、2006年10月に選挙管理内閣が発足し、2007年1月末に総選挙が行われる予定でしたが、選挙改革を巡る政党内対立による国内情勢悪化のため、非常事態宣言が出され、総選挙も延期となっていました。
今回の選挙では、前政権に対する汚職などの腐敗体質に強い批判が、今回の野党の勝利に結びついたようです。
アワミ連盟のハシナ氏が7年ぶりに首相に返り咲く見通しです。
バングラデシュの財政は慢性的な赤字となっており、これを外国援助と国内銀行借入等で補填する構造となっています。
また、経済的には、縫製品輸出や海外労働者の海外送金に依存するところが大きく、経済構造は脆弱と言わざるを得ません。
世界的な景気後退は、輸出・海外からの送金に大きく依存する同国経済へ悪影響を及ぼすことは確実な情勢であり、汚職取り締まりの強化は、同国経済を停滞させる可能性が高く、選挙で勝利したアワミ連盟ハシナ氏の政権運営は難しい舵取りを迫られそうです。
同国は、経済協力関係を中心に日本との友好関係が発展するなど、極めて親日的な国民性と言われています。
穏健・民主的なイスラム国と位置づけられる同国は、南アジア地域(インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、モルジブ、アフガニスタン、イラン)の安定化にとって重要性は増しており、課題は少なくないとみられるものの、今後の政治、経済の安定的発展が期待されるところです。