2008年12月23日火曜日

トヨタ会社予想の下方修正にみる米国自動車メーカー再建の厳しさ

12月22日、トヨタ自動車は、今期(2009年3月期)の連結決算の会社予想を下方修正しました。


売上高を前期比18.2%減の21兆5千億円(従来会社予想比-1.5兆円)、営業損益は赤字転落の-1500億円(従来会社予想は6000億円の黒字)としました。


2008年12月以降の前提為替レートは次の通りです。


  USドル=90円
  ユーロ=120円


連結販売台数は次の通りです。


  前期実績  891万台
  前回見通し 824万台
  今回見通し 754万台


また、今回、トヨタは販売台数700万台でも利益の出る体質を目指すと表明しました。これは前期実績に比べ、マイナス21%となります


トヨタは現時点で来期の経費削減を次の様に想定します。


 来期の設備投資:1兆円以下のレベルに抑制。
 来期の償却費:今年(1.1兆円)より若干減るレベルを想定。

 試験研究費(※)、販売費、およびその他の経費:1割~2割程度は減らす予定。
  ※ 研究開発費から労務費などを除いた費用


直近の為替は、USドルで90円前後となっていますが、米国の金融政策やマクロ経済指標の見通しからすると、ドル安に向かう可能性は少なくないと思います。


仮に、円高が進めば、トヨタ自動車の営業赤字はさらに拡大します。


現在、米国自動車メーカーの救済が大きな問題になっていますが、米国自動車メーカーに比べ、経営効率化が進んでいるトヨタが営業赤字に陥りました。


また、今回、トヨタは、販売台数は2割程度の減少に耐える体質を目指すとしています。


ということは、トヨタよりも経営効率性の劣るとみられる米国自動車メーカーの収益化には、相当の経営効率化を迫られるものとならざるをえず、トヨタを上回る経営効率化策を必要とし、米国自動車メーカー再建の道のりは相当厳しいと改めて認識した次第です。