最近、米国債の行方に注目が集まっています。
米国は景気対策や金融システムの安定化のため、財政支出を高めており、その財源としては、米国債に大きく依存しています。
世界経済にとって米国の存在感は大きく、仮に、米国債に懸念が生じれば、米国の景気や金融システムに悪影響が出る可能性があります。
5月21日、格付会社スタンダード・アンド・プアーズは、英国債の格付けについて安定的からネガティブに引き下げ、今後格下げになる可能性を示唆しました。
市場では英国債に続き、米国債の格下げ可能性を連想しました。
5月27日、格付会社のムーディーズは、米国債の格付けをトリプルAで据え置き、格付け見通しを安定的としました。
来週、米国のガイトナー財務長官は中国を訪問する予定です。
中国は、米国債の主要な買い手の一角を占め、米国債の最大の保有国となっています。
ガイトナー財務長官は、今回の訪中で、米国債の安全性や健全性について、中国当局者に説明する見通しです。
一般事業会社が格下げになれば、債券発行による資金の調達コスト(利率)は上昇します。国の場合も発行コストは上昇し、為替は下落することになります。
取り敢えず、ムーディーズは、米国債の格付けをトリプルAで据え置いたことなどで、米国債に対する懸念が後退したとしても、米国の財政状態や現状の景気を考えると、解消には至らず、懸念はくすぶり続ける可能性が高いのではないかと思います。
今後の推移が見守られるところかと思います。