2011年9月30日金曜日

欧州委員会のバローゾ委員長演説に思うこと

9月28日(現地時間)、欧州委員会のバローゾ委員長は、欧州議会で演説しました。委員長の頭の中はギリシャのデフォルトのリスクが高いとの認識があるのではないかと想像します。

(演説の主なポイント)

・EUは信頼感の危機が経済や社会的な問題を複雑化させており、発足以来最大の困難に直面している。
・銀行の資本増強の推進の重要性。
・金融取引税の導入。


同日、ドイツのメルケル首相はギリシャがデフォルトに陥る公算は小さいとの見解を示しました。


欧州の金融セクターは強化が必要であるということはコンセンサスになっていると思いますが、どの程度の強化が必要かという点では、必ずしも一致していないように見えます。


適切な対応がタイムリーに実行できるのか、今後の推移が見守られるところかと思います。



2011年9月29日木曜日

米国の8月の耐久財受注

9月28日(現地時間)、公表された米国の8月の耐久財受注は前月比マイナス0.1%となりました。
航空機除く非国防資本財は同プラス1.1%でした。


前月はマイナスだった民間設備投資の先行指標である航空機除く非国防資本財がプラスに転じたことは好ましい動きと言えます。


また、9月28日、全日空が世界で初めて導入するボーイングの新型機が日本の羽田空港に到着しました。
当面、米国における航空機製造は堅調に推移していくことが期待できるのではないかとの印象を受けました。


そうしてみると、米国の耐久財受注は当面、堅調に推移していくことが期待されるところ、今後の推移が見守られるところかと思います。



2011年9月28日水曜日

米国の9月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数

9月27日(現地時間)、公表された米国の9月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数は45.4、前月比プラス0.2ポイントとなりました。


前月、コンファレンス・ボード消費者信頼感指数は急落しました。市場の想定外のことでした。


今回、前月比プラスとは言え、前々月比ではマイナス13.8ポイントと、消費者信頼感指数は依然として落ち込んでいる状況が続いていると言えます。


小職の想像力不足かも知れませんが、ここ1ヵ月で米国の消費者心理を落ち込ませるような特徴的なイベントは思い当たりません。

明確な要因なく、米国の消費者心理が落ち込んでいるとすれば、とても気がかりです。


今後の推移は慎重に見守る必要があるかもしれません。



2011年9月27日火曜日

オマーン

先日、9月21日(現地時間)、イランに不法越境したとしておよそ2年間拘束されていた米国人男性2人が釈放されました。


オマーンが米国とイランの間をとりもったようです。


オマーンは、イランとGCC(湾岸協力会議)の関係改善にも尽力してきました。


オマーンは中東和平の実現にも前向きで、1996年にはイスラエルとの通商代表部設立につき合意し、同年、相互に代表部事務所を設立しました。


中東和平におけるオマーンの果たす役割を見守っていきたいと思います。



2011年9月26日月曜日

今週の主な予定

今週の主な予定は次の通りです。


26日(月曜)
海外:米 新築住宅販売 8月


27日(火曜)
国内:企業向けサービス価格 8月
海外:米 ケース・シラー住宅価格指数 7月
   米 消費者信頼感指数 9月
   EU ユーロ圏 マネーサプライ(M3) 8月


28日(水曜)
国内:工作機械受注 8月 確報
海外:米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
   米 耐久財受注 8月


29日(木曜)
国内:商業販売統計 8月
   対外対内証券売買 先週分
海外:米 GDP 4-6月 確定
   米 新規失業保険申請件数 先週分
   米 中古住宅販売 8月
   EU ユーロ圏消費者信頼感 9月


30日(金曜)
国内:完全失業率 8月
   家計調査 8月
   消費者物価指数 東京都区部9月中旬
   鉱工業生産 8月
   貸出約定平均金利 8月
   自動車生産、輸出台数 8月
   石油統計 8月
   住宅着工統計 8月
   建設工事受注額 8月
   電子材料生産実績 7月
   電子部品グローバル出荷 7月
海外:米 個人所得、支出 8月
   米 ミシガン大消費者信頼感 9月
   EU ユーロ圏消費者物価 9月
   EU ユーロ圏失業率 8月
   中 HSBC製造業PMI 9月



2011年9月22日木曜日

米国のFOMC

9月21日(現地時間)、米国のFOMC(連邦公開市場委員会)は声明を発表しました。


主な内容は、

・FF(フェデラルファンド)金利誘導目標水準をゼロから0.25%に据え置く。
・保有証券の平均残存期間を長期化する。2012年6月末までに残存期間6~30年の財務省証券4000億ドルを買い入れ、残存期間3年以下の財務省証券を同額売却する方針。(いわゆる「ツイストオペ」を実施する)
・最近の経済指標は緩慢で、雇用市場は弱いことを示している。失業率は高止まりしている。
・エネルギー・商品価格の従来の上昇による影響が弱まるにつれ、インフレは落ち着いていくと予想している。

などです。


今回の声明内容は、

長期金利の低下を狙ったものと思いますが、声明の公表直後、米国の長期国債価格は上昇しました。この点、今のところFOMCの狙い通りの動きを示したと言えます。

雇用状況の改善を意識したものと思いますが、市場では、今回の措置により雇用状況の改善に対する効果はほとんど期待できないとの見方が大勢を占めているようです。


今後の推移を見守りたいと思います。



2011年9月21日水曜日

ドイツの9月のZEW景気期待指数

9月20日(現地時間)、公表されたドイツの9月のZEW景気期待指数はマイナス43.3、前月比マイナス5.7ポイントとなりました。


事前の大方の市場予想もマイナス予想だったところ、想定内の結果だったと言えます。


今回の結果をみる限り、先行きのユーロ圏経済は減速に向かうことを示唆したとの印象です。


市場では、今のところ景気後退までは陥らないとみているようですが、今回の結果のみをみる限り、相当に弱くなる可能性がありそうです。


今後の推移を見守りたいと思います。



2011年9月20日火曜日

今週の主な予定

今週の主な予定は次の通りです。


19日(月曜)
海外:米 NAHB住宅市場指数 9月


20日(火曜)
国内:資金循環勘定 4-6月
   景気動向指数 7月 改定
   鉄鋼生産 8月
   全国百貨店売上高 8月
   コンビニエンスストア売上高 8月
   基準地価 7月
海外:米 住宅着工件数 8月
   米 FOMC
   独 ZEW景況感指数 9月


21日(水曜)
国内:貿易統計 8月
   全産業活動指数 7月
海外:米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
   米 中古住宅販売件数 8月
   米 FOMC
   英 中央銀行 金融政策委員会議事録


22日(木曜)
国内:全国スーパー売上高 8月
海外:米 新規失業保険申請件数 先週分
   米 景気先行指標総合指数 8月
   米 住宅価格指数 7月
   EU 鉱工業新規受注 7月
   EU ユーロ圏消費者信頼感 9月


23日(金曜)
海外:IMF・世界銀行 年次総会
   EU PMI製造業・サービス業指数 9月



2011年9月17日土曜日

米国の9月のミシガン大消費者信頼感指数

9月16日(現地時間)、公表された米国の9月のミシガン大消費者信頼感指数は57.8、前月比プラス2.1ポイントとなりました。


消費者期待指数は47.0、前月比マイナス0.4ポイントとなりました。


足元の消費者センチメントは改善したものの、先行きへの期待は落ち込んだといった感じです。


米国のクリスマス商戦の行方が気になるところです。


今後の推移を見守りたいと思います。



2011年9月16日金曜日

米国の8月の鉱工業生産指数

9月15日(現地時間)、公表された米国の8月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は94.0、前月比プラス0.2%となりました。


5月以降、前月比プラスが続いています。


稼働率は77.4%、前月の77.3%から上昇しました。


ドル安が米国の輸出競争力を高め、米国の鉱工業生産が堅調に推移していると推定します。


今後の推移を見守りたいと思います。



2011年9月15日木曜日

米国の8月の小売売上高

9月14日(現地時間)、公表された米国の8月の小売売上高(季節調整済)は前月比変わらずとなりました。


内訳をみると、自動車及び同部品が前月比マイナス0.3%、家具が同マイナス0.2%となったものの、家電は同プラス0.5%などでした。


今回の結果をみる限り、事前の大方の市場予想を下回るなど米国の小売は弱いと言えますが、全般的に小売が弱いとまでは言えないとの印象です。


今後の推移を見守りたいと思います。



2011年9月14日水曜日

米国の8月の輸入物価指数

9月13日(現地時間)、公表された米国の8月の輸入物価指数は前月比マイナス0.4%下落しました。


内訳をみると、燃料輸入物価が下落しています。
 燃料輸入物価  同マイナス1.8%
 非燃料輸入物価 同プラス0.2%


最近の商品市況の推移からすると、米国の輸入物価は抑制されていくのかも知れません。


しかし、ドル安傾向という為替面は、輸入物価の押し上げ要因になりうると考えます。


米国内の物価動向は、足元ではインフレが抑制されるものの、先行きは必ずしもそうなるかどうかは不透明との印象です。


9月20日、21日に予定されているFRBの会合の行方が見守られるところかと思います。



2011年9月13日火曜日

日本の8月の国内企業物価指数

9月12日公表された日本の8月の国内企業物価指数(2005年=100)は前年比プラス2.6%となりました。

これで前年比プラスは11カ月連続となりました。


前月比マイナス0.2%、5月以来の前月比マイナスとなりました。
前月比マイナスに最も寄与の大きかったのは石油・石炭製品のマイナス0.11%で、商品市況の動きが落ち着いていることが要因と言えます。


今後、商品市況や為替の動きが企業物価にどのような影響を及ぼすのか、今後の推移が見守られるところかと思います。



2011年9月12日月曜日

9.11

9月11日(現地時間)、米国では9.11同時多発テロの追悼式典が行われました。


9.11から10年、NYで自動車爆弾による攻撃が行われるとの情報があったようですが、今のところ大きな混乱なく、と言っても厳重警備によって交通は停滞しているようですが、推移しているようです。


9.11の首謀者とされるビンラディン容疑者はパキスタンで米国によって殺害されました。


視点をパキスタンに移してみると、パキスタンでは米国のテロとの戦いの影響から、反米感情が高まっているようです。


この10年のテロとの戦いの成果はどのように評価されるべきか、今後、どうすればいいのか、難しい問題です。



2011年9月11日日曜日

週明け後の主な予定

週明け後の主な予定は次の通りです。


12日(月曜)
国内:法人企業景気予測調査 7-9月
   企業物価指数 8月
   第3次産業活動指数 7月
   中古車販売台数 8月


13日(火曜)
国内:発受電速報 8月
   商業販売統計 7月 確報
海外:米 輸入物価指数 8月
   英 消費者物価指数 8月


14日(水曜)
国内:マネタリーサーベイ 7月
   マンション発売 8月
   鉱工業生産 7月 確報
海外:米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
   米 生産者物価指数 8月
   米 小売売上高 8月
   英 失業率 8月
   EU ユーロ圏鉱工業生産 7月


15日(木曜)
国内:対外対内証券売買 先週分
   特定サービス産業動態統計 7月 確報
海外米 消費者物価指数 8月
  米 経常収支 4-6月
  米 新規失業保険申請件数 先週分
  米 鉱工業生産 8月
  EU ユーロ圏消費者物価 8月


16日(金曜)
国内:毎月勤労統計 7月 確報
   電力需要 8月
海外:米 ミシガン大消費者信頼感指数 9月
   EU 新車販売 8月
   EU ユーロ圏経常収支 7月



2011年9月10日土曜日

中国の8月の消費者物価指数

9月9日(現地時間)、公表された中国の8月の消費者物価指数は前年比プラス6.2%となりました。


内訳をみると、
Food +13.4
Housing +5.5
Tobacco, Liquor and Articles +2.9
Clothing +2.9
Household Facilities, Articles and Maintenance Services +2.8
Health Care and Personal Articles +4.1
Transportation and Communication +1.0
Recreation, Education, Culture Articles and Services +0.4
��出所)中国国家統計局 数字はY/Y(%)


印象としては、食料品の価格は上昇傾向が続き、不動産は落ち着きに向かいつつあるように見えます。


今後の推移を見守りたいと思います。



2011年9月9日金曜日

米国の先週分(9月3日終了週)の新規失業保険申請件数

9月8日(現地時間)、公表された米国の先週分(9月3日終了週)の新規失業保険申請件数は41万4千件、前週比プラス2千件となりました。


トレンドを示す4週間移動平均は41万4750件、前週比プラス3750件となりました。


40万件を下回る方向に向かっているかと思えば、40万件を上回る傾向を示し、一進一退といった印象です。


現在、米国雇用環境は微妙なバランスにあるのだろうと想像します。


今後の推移を見守りたいと思います。



2011年9月8日木曜日

米国のベージュブック

9月7日(現地時間)、公表された米国のベージュブック(地区連銀経済報告)は、経済活動は緩やかなペースで拡大を続けているとしました。しかし、いくつかの地区の経済活動は弱まったとしました。


小売物価の上昇圧力は弱いものの、投入コストは上昇が続いているとしました。


まずは、9月8日に発表予定のオバマ政権の景気・雇用対策の内容が見守られるところかと思います。



2011年9月7日水曜日

米国の8月のISM非製造業指数

9月6日(現地時間)、公表された米国の8月のISM非製造業指数は53.3、前月比プラス0.6ポイントとなりました。


事前の大方の市場予想が前月比マイナス予想だったところ、予想外のプラスだったと言えます。


先週公表された雇用統計の内容が悪く、悲観的な見方が強まっていたところ、少しそうした気分を和らげたような気がします。


今後の推移を見守りたいと思います。



2011年9月6日火曜日

ユーロ圏(17カ国)の7月の小売売上高

9月5日(現地時間)、公表されたユーロ圏(17カ国)の7月の小売売上高は前月比プラス0.2%、前年比マイナス0.2%となりました。


EU(27カ国)の7月の小売売上高は前月比プラス0.2%、前年比マイナス0.2%でした。


事前の大方の市場予想を上回る結果だったと言えます。この意味では良いニュースです。


ただ、8月23日(現地時間)、公表されたユーロ圏(17カ国)の8月の消費者信頼感指数(速報値)がマイナス16.6、前月比マイナス5.4ポイントと悪化したことからすると、ユーロ圏の当面の小売売上が継続的に回復に向かうようには思えません。


今後の推移を見守りたいと思います。



2011年9月5日月曜日

今週の主な予定

今週の主な予定は次の通りです。


5日(月曜)
海外:EU ユーロ圏小売売上高 7月
   中 HSBCサービス業PMI指数 8月


6日(火曜)
国内:車名別新車販売 8月
海外:米 ISM非製造業景況指数 8月
   EU ユーロ圏域内総生産 4-6月 改定値 
   豪 中央銀行 政策決定会合


7日(水曜)
国内:マネタリーベース 8月
   景気動向指数 7月
海外:米 MBA住宅ローン申請指数 先週分
   米 ベージュブック
   加 中央銀行 政策委員会
   豪 国内総生産 4-6月


8日(木曜)
国内:機械受注 7月
   国際収支 7月
   対外対内証券売買 先週分
   オフィス空室 状況 8月末
   企業倒産 8月
   景気ウォッチャー調査 8月
   工作機械受注 8月 速報
海外:米 貿易収支 7月
   米 新規失業保険申請件数 先週分
   米 消費者信用残高 7月
   英 中央銀行 金融政策委員会
   EU 中央銀行 政策委員会


9日(金曜)
国内:国内総生産 4-6月 2次速報
   マネーストック 8月
   消費動向調査 8月
海外:米 卸売在庫(7月)
   G7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)
   中 消費者物価指数 8月
   中 生産者物価指数 8月
   中 鉱工業生産 8月



2011年9月3日土曜日

米国の8月の雇用統計

9月1日(現地時間)、公表された米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門雇用者数は前月比変わらず、民間部門雇用者数は同プラス1万7千人となりました。


事前の大方の市場予想を大きく下回る結果だったと言えます。


今後の推移を見守りたいと思います。



2011年9月2日金曜日

中国の8月の製造業PMI

9月1日(現地時間)、公表された中国の8月の製造業PMI(中国物流購買連合会調べ)は50.9、前月比プラス0.2ポイントとなりました。


今のところ景気の分かれ目である50は上回っています。


今後、中国の為替問題も含めた輸出の推移が注目されるところかと思います。



2011年9月1日木曜日

米国の8月のADP雇用報告

8月31日(現地時間)、公表された米国の8月のADP雇用報告によれば、民間部門雇用者数は前月比プラス9万1千人となりました。


市場には事前の市場予想を下回ったということでネガティブな見方が出されているようですが、個人的には、確かに市場予想を下回ったとはいえ、そこそこのプラス幅との印象を受けました。


金曜に公表予定の雇用統計の内容が注目されるところかと思います。