2009年5月11日月曜日

南アフリカで新大統領就任式開催、経済運営は前政権の方針を踏襲の模様

5月9日(現地時間)、南アフリカ共和国の新大統領にANC(アフリカ民族会議)議長のズマ氏が就任しました。


9日の就任式には、ジンバブエのムガベ大統領、リビアの最高指導者カダフィ氏、日本の森喜朗元首相らが参加しました。


南アフリカは、金、ダイヤモンド、希少金属など、豊富な鉱物資源を有しており、同国のGDPは、サブサハラ・アフリカ諸国のGDP総額の約4割を占め、アフリカ経済の牽引役を担っています。


最近の国際的な急速な経済後退の影響もあり、貧富の格差や失業問題が指摘されています。


2010年にはサッカーのワールドカップの開催も予定されています。


経済問題をはじめ難しい政権運営が見込まれるところ、5月10日(現地時間)、ズマ新大統領は、前財務相を国家計画委員会委員長に、元税務責任者を財務相に任命することを明らかにしました。これは、従来の経済運営を踏襲することを示唆したものとみられます。


今後の推移を見守りたいと思います。



2009年5月10日日曜日

週明け後の主な予定


週明け後の主な予定は次の通りです。


11日(月曜)
海外:米 バーナンキFRB議長講演


12日(火曜)
国内:景気動向指数 3月
海外:米 貿易収支 3月


13日(水曜)
国内:国際収支 3月
   景気ウォッチャー調査
   白川日銀総裁講演(於ロンドン)
海外:米 小売売上高 4月
   米 企業在庫 3月
   EU 鉱工業生産指数 3月


14日(木曜)
海外:米 新規失業保険申請件数
   米 生産者物価指数(PPI) 4月


15日(金曜)
国内:機械受注統計 3月
   企業物価指数 4月
   特定サービス産業動態
海外:米 消費者物価指数 4月
   米 鉱工業生産、設備稼働率
   米 ミシガン大学消費者信頼感指数
   EU 消費者物価指数
   EU 国内総生産 1-3月


米国のストレステストの結果公表も行われ、市場には一定の安心感が広がっているようです。
週明け後、企業の3月決算発表が続く見通しですが、2009年度決算に関する会社予想数字が見守られるところかと思います。



パナマで第三勢力が大統領選で勝利

先日(5月3日、現地時間)、パナマで大統領選が行われ、野党 民主改革党 党首のマルティネリ氏が初当選しました。


パナマでは、過去、与党民主革命党とパナメニスタ党の2大政党による政権交代が定着していましたが、今回の大統領選挙では、第3勢力が政権を得ることになりました。


パナマは、第1次及び第2次産業が脆弱で、消費財、生産財の大半を輸入に依存しており、貿易収支は恒常的に赤字となっています。

貿易赤字の多くはパナマ運河、港湾、観光及び金融センター等に関するサービス収支、及び資本収支により補われています。

最近、パナマでは金融危機による海上物流の停滞に伴ってパナマ運河の通航収入は減少しており、パナマ経済への影響が広がっているようです。

次期大統領のマルティネリ氏は、同国最大手のスーパーを経営で、選挙戦では、経済危機に対処するため、高速道路やパナマ市の地下鉄の建設など、大規模公共事業を訴えました。

治安悪化や経済格差に不満を持つ中低所得者を中心に支持を集めたようです。


次期大統領の就任は7月1日、任期は5年です。


パナマは、米国との関係が経済及び安全保障にとって極めて重要であり、1999年のパナマ運河の返還、駐留米軍撤退後も良好な関係の維持、発展に努めてきています。


パナマの対日貿易は、2007年貿易統計によれば、対日輸出 16億円(マグロ、魚粉、植物など)、対日輸入 1兆148億円(船舶、乗用車、一般機械、電気機械)と圧倒的に日本からの輸入が多くなっています。
また、日本はパナマ運河の利用国としては第3位です。


次期政権を獲得した第3勢力は、経済的に重大な課題に取り組むことになりますが、日本にとって一定の関係を有するパナマの政治、経済情勢の行方が見守られるところかと思います。



2009年5月9日土曜日

新たな危機に直面したリスボン条約

5月6日(現地時間)、チェコの上院で、リスボン条約の批准が承認されました。


リスボン条約はEU機能強化を目指す新たな基本条約です。


順調に行けば、昨年の国民投票で条約を否決したアイルランドを除き、加盟26カ国全てで批准を終えたことになります。


今後、チェコが同条約を批准するためには、クラウス大統領の署名が必要です。


しかし、海外メディアによれば、クラウス大統領は、批准を承認した上院を強く非難しており、批准するかどうかは、同条約について憲法裁判所で最終的な判断を経るべきとの考えを表明しているようです。


リスボン条約は1カ国でも批准しないと発効しないため、リスボン条約は新たな危機に直面したと言えます。


今後の推移を見守りたいと思います。



4月の米国雇用統計に対する見方は様々

5月8日(現地時間)、公表された米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の雇用者数は53万9千人減少し、失業率は8.9%となりました。


非農業部門の雇用者数は少し減少幅が小幅になってきているように見えます。


4月の米国雇用統計に対する見方は様々です。

非農業部門の雇用者数は景気回復の遅延指標と考えられ、失業率は当分上昇するとは思いますが、米国景気は底打ちしているか底打ちが近いのかもしれません。

なお、市場には、雇用者数減少は未だ最悪期を脱してはいないとの見方があり、この見方に立てば、まだ米国景気の底打ちまでは時間がかかると言えます。


個人的には最悪期を脱した可能性が高いのではないかとの印象です。


昨日公表された米国大手金融機関に対するストレステストの前提条件の失業率は8.9%ですが、今回、その水準に達しました。

米国の金融安定化は、ダイナミックに進むというよりは、少しずつ匍匐前進していくような印象です。


今後の推移が見守られるところかと思います。


(万人、%)
 非農業部門雇用者増減失業率
2008/12-68.17.2
2009/1-74.17.6
2-66.38.1
3-69.98.5
4-53.98.9

(出所)米国労働省

2009年5月8日金曜日

米国大手金融機関に対するストレステストの結果公表

5月7日(現地時間)、米国でストレステストの結果が公表され、米国大手金融機関19行のうち10行に資本増強が必要としました。


資本増強が必要とされたのは、バンクオブアメリカ(約3兆3千5百億円)、ウェルズファーゴ(約1兆2千3百億円)、シティグループ(約5千4百億円)などです。


今後、資本増強が必要と判断された10行は、資産売却や増資などにより自己資金を調達し、不足分は政府の保有する優先株を普通株に転換して調達することになる見通しです。


海外メディアによれば、5月7日(現地時間)、FRBのバーナンキ議長は、多くの金融機関は追加の公的資金を受け取らずに資本増強可能との見通しを明らかにするとともに、ストレステストは、金融監督や規制の改善に向けた有効な指針となり得る、との見方を示したようです。


既に事前にマスコミなどで多くの報道が行われており、ストレステストの結果は、市場は冷静に受け止め、安心感が広がる可能性が高いのではないかとの印象です。


しかし、今回のストレスは、下表の通り、現在の経済環境とほぼ同様の水準と言え、仮に、今後、景気の底割れ懸念が出てきた場合には、米国大手金融機関に対する信頼は揺らぐ可能性があると思います。

 GDP伸び率失業率住宅価格
2009-3.30%8.90%-22%
2010+0.5%10.30%-7%


景気動向を含め、今後の推移が見守られるところかと思います。



ECBは政策金利の引下げと非伝統的措置を発表

5月7日(現地時間)、ECB(欧州中央銀行)は、政策金利を0.25%引き下げ、1.00%にすると発表しました。


併せて、非伝統的措置を発表しました。

①ユーロ圏の企業が発行したカバードボンドの買い入れ
②銀行への資金供給では期間を最大12カ月に延長
③欧州投資銀行がECBから資金を調達できる途をひらいた

※カバードボンド:社債の中で、住宅ローン債権などを担保としつつ、発行体の信用力にも裏付けられた形で発行される債券で、担保となる債権、発行する債券ともに発行体のバランスシートに計上されるもの。


カバードボンドの買い入れは、マネーサプライの伸びを促進する効果があると思いますが、今回の措置について、ECBは、量的緩和ではないと表明したようです。


4月30日(現地時間)に公表された4月ユーロ圏CPIは、前年比0.6%の上昇と過去最低水準になるなど、EUではデフレ懸念が指摘されています。


今後の推移が見守られるところかと思います。